「export」という英単語を覚えるとき。
「ex」という接頭辞は「外へ」、「port」は「運ぶ」だから「外へ運ぶ」、つまり「輸出」という意味になる……と気づくことも精緻化です。
あるいは、そのような分解が難しい英単語の場合。たとえば「solve」(動詞)を覚えたいとき。
「自分が試験問題を解いている姿」を頭に描いておくだけでも、立派な精緻化になり得ます。なぜなら、イメージの中に「自分」が登場するからです。
脳は、「自分自身に関係があること」が大好きです。「自己関連付け効果」が発動して、記憶が強化されます。
難しい数字も「精緻化」で覚えられる
また、昔から多くの人たちに親しまれてきた「語呂合わせ」も精緻化に含まれます。
「鳴くよ(794)うぐいす平安京」「人の世むなしく(1467)応仁の乱」「以後涙(1573)にくれる足利義昭」「人群れ騒ぐ(1603)江戸幕府」「いち早く(1889)できた帝国憲法」……など。
歴史の勉強で、年号を語呂合わせで覚えたという人も多いのではないでしょうか。
またクレジットカードのような長い数字も、1−2桁に区切って、言葉に変換することで一つの語呂合わせストーリーを作ると有効です。
たとえば、「4592-0613-3798-4256」の場合、「仕事(45)中に、 92 (工夫)して(ATMから下ろ(06)した遺産(13)が、みんな(37)に配(98)られ至福(42)の頃(56)」となります。
数字が長いと、突飛なストーリーや無理な展開になりがちですが、記憶にはそのほうがいいのです。
このように情報の形をひと手間かけて加工するだけで(=精緻化)、「短期記憶」は「長期記憶」へと格上げされやすくなるのです。
ビジネスシーンでも、たとえば「昨年の会社の売上高は、自分の年収の1000倍くらいだった」などと自分ごと化したり、語呂合わせでストーリーを作成して「精緻化」を駆使すると覚えにくい数字も、長期記憶として記憶することができるのです。
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