時間が経つにつれ忘れられる。しかし記憶したいことを何度も唱えることで、忘却を防げる。短期記憶の容量は7±2(5~9)個という説が有力で、一度に多くの事柄を記憶するのは難しい(例:初めて聞く電話番号の一時的な記憶や、暗算の際に必要な個所のみ覚える一時的な記憶など)。
「無限に広がる記憶の海」と称されるほど大容量の情報を格納できる。その容量を1000兆項目と試算する専門家もいる(例:印象的な思い出や経験など)。
「記憶力をアップしたい!」という場合。
それは「テストやプレゼンなどの本番まで、記憶を保持させたい」という意味でしょうから、短期記憶ではなく「長期記憶ができるようになりたい」という意味になります。
では、「記憶には2種類ある」というこの事実は、いつ頃判明したのでしょうか。
答えは、なんと19世紀末。アメリカの心理学者、ウィリアム・ジェームズが、この考え方を提唱しました。
彼は、脳に定着した過去の経験や出来事などの記憶を「二次記憶」(=長期記憶)、脳にごく短期間だけ保持される記憶を「一次記憶」(=短期記憶)と名付けました。
記憶スイッチをオンにする3大条件
それでは、脳に入れた情報を、いったいどうすれば「長期記憶」としてスムーズに格納できるのか、見ていきましょう。
脳に取り込んだ情報は全て、最初は「短期記憶」として扱われます。そこから、条件をクリアして選ばれた情報だけが、「長期記憶」として大脳皮質というところに保管されます。その判断を行うのが、大脳辺縁系にある「海馬」です。
海馬という名前を、今までに見聞きされたことがある人もいるでしょう。
脳内で唯一、神経細胞が新しく生まれ続ける部位であり、海馬を鍛えて体積が増えると、記憶や思考にまつわる能力が向上し、脳の各部位がさらに発達するとされています。そんな海馬が「情報の重要性を判断する」という大役を担っています。
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