鈴木亮平「40代、あえて新しい事に挑戦する理由」 夢を諦めなかった原動力、失敗は"未来への投資"

拡大
縮小

劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』では、緊張感漂う難手術のシーンがクライマックスを飾った。台本12ページにおよぶ医療用語の応酬をこなしながら、手と身体も同時に動かしてリアリティーを出すという難しいシーン。こうした緊迫する場面では、どのような意識を持って演じているのだろうか。

心がけているのは「リラックスした環境作り」

「失敗しやすい環境作りは、すごく大事だなと思っています。僕らの仕事では、リラックスしないといいお芝居ってできないんです。緊張感のある作品だと、あえて緊張感を作る場合もありますけど、『うわ、失敗しないかな』と脳裏をよぎるといいお芝居にならない。失敗しても、みんなで笑って、『もう1回行こう! そういうこともあるよね』って言えるようなリラックスした環境作りは心がけています」

そうした境地に至ったのは、キャリアを積んだからこそなのか? 素朴な疑問を投げかけると、予想外の答えがかえってきた。

「それが年齢やキャリアを重ねてきて、いい意味で適当になっていっているんです。

『まあ、いいっか』って開き直るようになったんです。それは、“前向きな開き直り”というか。自分だって完璧じゃないから行き届かないとこもある。それで緊張して演技がうまくいかないのも、その人の責任でもあります。全部を自分が負う必要ないよなって、思いながらやっています」

そういった気持ちの変化も含めて、主演として作品を背負う気持ちも変化している。

成功した経験、失敗した経験も含めて、プレッシャーとの向き合い方も変わってきたのだという。

劇場版では、杏(鴨居友役)が率いる冷徹なエリート集団『YOKOHAMA MER』も登場  ©2023劇場版『TOKYO MER』製作委員会
次ページ「1つの失敗や成功ですべてが変わるわけではない」
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT