日本名物「お尻を洗うトイレ」海外で普及しない訳 イノベーションはブルーオーシャンを泳げるか

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ちなみに、この3つの要因、「これまでの不調和を解決する(incongruities)」、「従来の慣習を変えるための、新しいやり方を提案する(process needs)」、そして「従来の認識を変える(changes in perception)」は、ピーター・ドラッカーが提案したイノベーションの7つの要因の中の3要因、と気づかれた方も多いかと思います。

ドラッカーはこのような要因がイノベーションの動機、原動力となることを示唆しました。

他の4要因は、思わぬ失敗(unexpected occurrences; 失敗が結果的には、思わぬイノベーションとなる)、産業と市場の変化(industry and market changes)、人口動態の変化(demographic changes)、そして新しい知識(new knowledge)です。

日本のトイレは海外でも普及している?

さて、これほどまでに日本国内で普及し、海外から日本に訪問した旅行客も体験し驚いているので、TOTOのウォシュレットと競合商品である温水洗浄便座は海外市場というブルーオーシャンを見つけたと言えるのではないでしょうか。

ブルーオーシャンという概念はレッドオーシャンと対比すると理解しやすいです。前回の記事(戦略の理想「ブルーオーシャン」の大きな落とし穴​)でも説明しましたが、レッドオーシャンとは、市場に競争相手がサメのようにうようよとたくさん泳いでいて、お互いに血を流して血に染まっている状況です。

一方、市場に競争相手のサメがまだいない、つまり血で汚れていない紺碧の海のような状況をブルーオーシャンと言います。

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