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キャリア・教育 #決定版 「任せ方」の教科書

出口治明、部下の相談を「嫌や」と拒否し続けた真意 部下を育てる基本は「責任を持たせること」

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  • 出口 治明 立命館アジア太平洋大学(APU)前学長・名誉教授
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「仕事を与え、部下を忙しく働かせる」のは、上司の務めです。忙しく働かせると、部下の不平不満を助長すると思われがちですが、僕は「その逆」だと思います。人間は「何もやることがない状態」を嫌います。フランスの哲学者・パスカルは、「退屈」について考察し、

「人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。部屋でじっとしていればいいのに、そうできない。そのためにわざわざ自分で不幸を招いている」

と述べています。自分を不幸にしてまで部屋にじっとしていられないのは、「人間は、退屈に耐えられない」からです。

仕事を与えるのは、部下への愛情

したがって、上司は、部下を退屈させないためにも、適度に仕事を与え、任せなければなりません。そうすれば仕事を与えられた部下は、

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「オレは信頼されているから、仕事を与えられているんだ」

「上司が認めてくれているから、任されるんだ」

と意気に感じるはずです。

仕事を与えすぎて部下を疲弊させてはいけませんが、それでも「仕事をまったく与えない」ことに比べたら、「少しくらい忙しくさせたほうが、部下は喜ぶ」と思います。退屈しないですむからです。

「仕事をしなくても給料をもらえるなんて、恵まれている」と考える人は、仕事をしたことがない人です。

例えば、同僚たちは仕事を任されているのに、自分だけすることがない――1日中、何もせずにデスクに座っていなければならないとしたら、「恵まれている」どころか、苦痛でしかありません。

「上司が仕事を与える」のは、愛情の裏返しです。部下が誰1人、退屈しないように、部下に仕事の楽しさを感じてもらうように、仕事をバランスよく与えていくのが上司の仕事です。

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