パワハラ対策に助成金「社会保険労務士」は忙しい 働き方改革で需要大、合格者の4割近くが女性に
独立開業する以外に、一般企業に勤務しながら社労士業務を行う勤務社労士も、最近では増えている。社労士法の17条により、労働・社会保険関連の申請書類を提出する際、社労士が作成した書類については一部の資料添付を省略することができるからだ。
将来、副業や転職、独立などキャリアチェンジを考えたとき、需要も強く、社内外で通用する社労士の資格は、幅広い可能性を与えてくれよう。
人気講師や合格者が語る、合格への突破法
オールラウンドで難問無視 似ている要素を整理する
澤井国際事務所代表/LEC講師 澤井清治
社会保険労務士の試験は約60%以上の正解で合格ラインにはたどり着ける。完璧な解答を目指す必要はなく、やり残しや苦手な科目を作らないのが重要。誰にも解けない難問や奇問が毎年出題されるが、そんな問題は落としても構わない。目指すべきは完璧主義者ではなく、オールラウンダーである。
科目を一通り勉強すると、制度上、似ているものが多い。そのため覚えたことがどの科目であったかを整理しなければならない。そのときにお勧めなのが、テキストにインデックスを貼っておくこと。例えば、労働基準法の「時効」、労働者災害補償保険法の「時効」、雇用保険法の「時効」、健康保険法の「時効」という具合である。
またノートも科目別のノートに加え、横断学習用ノートを作成して、横断すべき項目ごとに情報を書き出す。社労士は科目の多さにどのように対応するかが問われている試験。何より勉強を習慣化することによって、楽しむこともモチベーションを維持する意味で大切だ。
覚える範囲が膨大すぎた 自分に自信を持ち正社員に
人事総務スキルアップ検定協会 高野理絵さん
そもそも社会保険労務士試験に挑戦したのは、宅地建物取引士(宅建士)の試験に挑戦している友達から「一緒に資格予備校に通ってほしい」と誘われたから。お稽古事を楽しむような乗りで気軽に始めた。
ところが、友達の勧めで選んだ社労士の試験は、覚えなければならないことが膨大にあることを知ってびっくり。ただ、納めた学費を無駄にしたくなかったので、気持ちを引き締めて勉強に臨んだ。幸いだったのは、当時は居酒屋でのアルバイトだったので、勉強時間を確保しやすかったことだ。夕方勤務だったので、朝からの時間をすべて勉強に充てた。
知識ゼロからのスタートだったので、当初はわからないところだらけ。そのため、予備校の講義前にはテキストとオンラインの講義で予習し、わからないところに付箋を貼って、講義でも理解できなかったら直接質問。帰宅後は理解したことをノートにまとめていった。
だから初めての受験で合格できたときは本当に驚いた。かつて”ブラック企業”で働いたことがあり、正社員になるのが怖かった(苦笑)。だが資格を得たことで、自分に自信が持てるようになった。
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