「デンマーク選挙に出馬」日本人女性の驚きの体験 制度、活動、政治への意識などさまざま異なる

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2001年からロラン島で暮らすニールセン北村朋子さん。デンマークと日本、世界をつなぐ文化翻訳家。人とそれを取り巻く環境が幸せな地球を目指し、ネットワークづくり、学びと思考と実践の場づくりを行う(写真:朋子さん提供)

2023年4月、日本各地で統一地方選挙が繰り広げられ、連日、選挙カーのアナウンスがまちに響いていた。しかし、投票率は右肩下がりで、都道府県議選は42%ほど。関心の低下に拍車がかかっている。どうすればいいのか。ヒントを求めて、デンマークのロラン島で暮らす文化翻訳家のニールセン北村朋子さんに話を聞いた。

ロラン島は、沖縄本島とほぼ同じ面積に約5万8000人が暮らし、自然エネルギー自給率800%を誇る島。朋子さんはこの島で20年以上暮らし、ロラン市議会議員に立候補した経験もある。残念ながら当選しなかったが、デンマークに住んでから選挙をごく身近に感じてきたという。

神奈川県で生まれ育った朋子さん。いろいろなことに「なぜ」と疑問を持つ子で、漠然と海外に憧れていた。インテリア会社に勤めていたが、30歳を前にアメリカへの語学留学を決意。「英語が好きなのに話せなくて、一生コンプレックスを抱えて生きていくのは嫌だと思ったんです」

帰国後はアメリカの会社に勤める傍ら、映像翻訳の学校へ。33歳で映像翻訳者として独立を果たした。

飛行機で訪れた人生の転機

転機は数年後に訪れる。

飛行機でたまたま隣に座ったデンマーク人と結婚し、彼の地元であるロラン島に2001年移住したのだ。男の子を出産後、地元の小さなテレビ局に就職。そのとき初めてデンマークの選挙を経験し、衝撃を受けたという。

「選挙は民主主義のお祭りという感じ。みんな選挙が好きで楽しみでワクワクしていて、すごく盛り上がっていたんです」

「デンマークの選挙や議員制度は、日本と違うところが多い」と朋子さん。

まず、地方議員はほかの仕事と兼職が大半で、市長などトップのみ専任。議会は平日夕方に開催される。

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