「献立浮かばない日」、最初にやってほしいこと 「料理がしんどい」を楽にする3つのアプローチ

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日々の料理は「自分とウマの合う料理」だけでいこう。「作るのが楽しい」までいかなくとも「作るのがしんどくない」料理だけを扱っていかないと、続かない。続けていけない。

ちなみに私とウマの合う料理は、あるものを刻んでどんどん加え、ざっと煮て味をととのえれば完成するような、ざっくりとした、一品で完結する料理。

「相性」をジャッジするのはちょっとした心の手間だが、「作る」「作らない」の線引きをしっかりとできるって、やっぱり大事なことだと思う。作りにくいものにこだわるより、自分が作りやすい料理を探して、増やしていくほうがいい。

3. 笑っちゃうくらい献立が浮かばないときは

献立ってのは、浮かばないときは笑っちゃうぐらい、浮かばない。これもよくいわれることだが、「服はいっぱいあるけれど、きょう着たい気分の服がない」というのに近いかもしれない。作れるレパートリーはそれなりにあっても、きょう食べたいもの、あるいは今の状態で作れるものが見いだせないのだ。

そんなとき、私が「取っ掛かり」にしている方法はいくつかあるが(多いほど助かる)、その1つは、「最近あまり使っていない調味料を主軸に考えてみる」という方法。冷蔵庫のドアポケットに並ぶ、柚子こしょうや、マヨネーズ、ケチャップ、豆板醤にナンプラー、あるいは買ってはみたものの、好みでなかったポン酢。使い切れていないジャムなども献立を考えるヒントになる。

自分で考えなくても「〇〇 おかず」で検索すればレシピが出てくる時代だ。献立も決まり、冷蔵庫に長居しているものがちょっと減るという一石二鳥もうれしい。

「マイペース」をつかむまでが大変

台所をひらく~料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集
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マイペースでいこう、なんてよくいわれる。マイペースを辞書で引いてみると、「周囲との状況に眩惑されず、自分自身に適した進度・速度で仕事を行うこと」(新明解第7版)とある。だけど「自分に適したペース」をつかむまでがまあ……大変なわけですよ。

かく言う私も、8年前にパートナーと暮らし始め、炊事担当となって初めて「家事としての料理ってしんどい……」と実感し、今日まで試行錯誤を続けた。そしてやっとみつけたのが、上記のような考え方だ。気分の波にうまいこと身をゆだね、荒波に逆らわず、食事づくりを穏便にやり過ごすための私なりの工夫、気持ちのととのえ方が、誰かの心の浮島や浅瀬の代わりにちょっとでもなれたらうれしい。

白央 篤司 フードライター

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はくおう あつし / Atsushi Hakuo

早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経てフリーに。日本の郷土食やローカルフードをメインテーマに執筆。著書に「都道府県をひとつのおにぎりで表すとしたら?」をコンセプトにした写真絵本『にっぽんのおにぎり』(理論社)、各地で愛され続ける飯・麺・汁ものをレシピつきで紹介した『ジャパめし。』(集英社)などがある。郷土料理や日本の食文化をテーマにした講演も各地の学校・図書館等で行っている。Twitter:@hakuo416

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