頭の中の「モヤモヤ」すっと言葉にするすごいコツ 「A41枚のメモ」による言語化力トレーニング

拡大
縮小

1行書き出したメモに対して、芋づる式にどんどん「言葉の解像度」を上げていくことで、言語化されていなかった自分の思いや意見が数珠つなぎのように次々と目の前に現れてくるのです。

⑥「思考」の最終行から「理由」を書き出す

さぁ、ここからは、「問い」に対する自分の思考をさらに深めて言語化していくフェーズに入っていきます。A4コピー用紙の上半分で、ある「問い」に対して「自分が思ったこと・感じたこと」をメモに書き出すことで言語化してきました。この時点でも、あなた自身がはっきりと言語化できていなかった「思いや意見」が言葉になって表れてきているはずです。

瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。
『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』(SBクリエイティブ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

しかし、「なぜ自分がそう思ったのか・そう感じたのか」について、実は自分でもわかっていないことが多いのも事実です。たとえば、「理想の上司に必要なことは何だと思う?」と質問をされて、「相手の視点を尊重することです」と答えるだけでなく、「なぜなら、〇〇〇〇だと思うからです」と、その理由までしっかりと言葉にできることで、あなたの思いや意見は一気に説得力を増してきます。

この「言語化力トレーニング」でせっかく「思いや意見」を言葉にできたのですから、その理由までしっかり述べられるように準備しておきましょう。

まずは、「思考」ブロックで最後に書き出したメモを「丸」で囲みます。そこから、「そう思った・そう感じた理由」を、下の「理由」ブロックに書き出していきます。

この時点でかなり思考が深まっているはずなので、「書き出す理由」についても、1行目を書き出したときには想像もしなかったような「深い理由」が自然と書き出せるはずです。

さらにそこから、「芋づる式言語化思考法」を使って、「理由」についても言葉を深めていきましょう。「思考」のときと同じように、「理由」についても、「それって、どういうこと?」と自分に問いながら書き出していきます。

コツは、「思考」のときと同じです。下にいくにつれて、「言葉の解像度」は高まっていき、一番下の行にいくときには、かなり解像度の高い言葉になっているでしょう。

気づけば、A4コピー用紙には、自分でもわかっていなかった自分の「思いや意見」とその理由がしっかりと言語化されていると思います。ここまでくれば、トレーニングで設定した「問い」に関する突然の質問にも、説得力を持って相手に答えることができるはずです。

荒木 俊哉 電通 コピーライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あらき・しゅんや / Shunya Araki

一橋大学卒業後、2005年に電通に入社。営業局を経てクリエーティブ局へ。コピーライターとしてさまざまな商品・企業・団体のブランディングに従事。これまで手掛けたプロジェクトの数は100以上、活動は5大陸20か国以上にのぼる。
世界三大広告賞のうちCannes LionsとThe One Showのダブル入賞をはじめ、ACC賞、TCC新人賞、NIKKEI ADVERTISING アワード、YOMIURI ADVERTISING アワード、MAINICHI ADVERTISEMENT DESIGN アワードなど、国内外で20以上のアワードを獲得。著書に『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT