頭の中の「モヤモヤ」すっと言葉にするすごいコツ 「A41枚のメモ」による言語化力トレーニング

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でも、この言語化の作業に、ある「特殊な才能」などは一切必要なく、そこに必要なのは「習慣」だけです。その習慣を自然に身に付けるために、このトレーニングがあると考えていただければいいのではないかと思います。

この頭の中の思考を書き出す時間は「テスト」ではなく、あくまで「トレーニング」ですので、繰り返しになりますが、そこに正解や不正解はありません。メモを通じて「言語化される思いや意見」は、あなたの中にそっと眠っていたあなただけの宝物。宝物を発掘するようなワクワクした気持ちでメモに書き出す時間を楽しんでほしいと思います。

では、あなた自身が決めた問いについて「思いついたこと」を何でもいいので、まずは1行書き出してみましょう。

⑤1行書いたことを深掘りする「芋づる式言語化思考法」

次は、1行書き出した内容について、さらに深掘りしていきます。先ほどお話しした「問いを大きく書き出しましょう」というお話の際に少し触れた思考プロセスになります。

今回の問いの例でいうと、自分が出会った理想の上司を思い浮かべ、そこからまず「チームメンバーの意見を聞く」と書き出しました。ここで「それって、どういうこと?」と自分に対して、疑問を投げかけてください。

そこであなたが感じたのが「相手の意見を否定しない姿勢」だとした場合、1行目の下に罫線を引いて、2行目にその内容を書き出します。つまり、「最初に書き出したこと」をきっかけに芋づる式に無意識の思いや意見をどんどん引っ張り出していく言語化思考法です。

この際のコツとして、1行書き出した内容に対して「それはつまりどういうこと?」という意識を常に持ちながら、徐々に「言葉の解像度」を上げていくことです。

「チームメンバーの意見を聞くって、つまりどういうこと?」という意識を持ちながら、下の行にいくにつれて、具体化をしていく。そうすることで、1行目より2行目のほうが、2行目より3行目のほうが「より深い思いや意見」にたどり着くことができるはずです。

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