うつ、2度の組織崩壊「絶望を味わいわかったこと」 予定調和を"あえて崩す"働き方とは?

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ラブグラフが展開する出張撮影サービスとカメラマンの育成事業は、予約フォームや決済システム、レビュー機能、オンラインアルバムをはじめ、サービスの大部分がITによって支えられている。

その機能一つ一つで、ユーザー体験を良くしていくことがプロダクトや事業の成長に直結するため、同社にとってITシステム面の強化は重要指標でもある。

しかし、横江さんがジョインした当初、開発組織はタスク進捗が慢性的に遅れる課題を抱えていた。

「やりたいことややるべきことは山ほどあるものの、なかなかスピーディーに開発が進まない開発現場を助けてほしいと創業者のこまげ(駒下純兵)さんから相談を受けたのがラブグラフとの出会いでした」

無駄な作業を徹底的に排除

当時からラブグラフはMIXIと協力関係にあり、水面下では資本提携の話も進んでいたことから、横江さんは一度MIXIに入社。エンジニアとしてラブグラフの開発をサポートしながら、3カ月後には正式にラブグラフのCTOとなった。

「就任1年目は『タスクが遅れる問題』を解消すべく、無駄な作業を徹底的に排除し、エンジニアがタスクに集中できる時間を生み出すことに取り組みました。

例えば、会議の見直し。週1回1時間、プロダクトマネジャーやデザイナー、エンジニアの全員が集まっていた会議を、各領域の代表者のみ集まり20分で終えるルールに変更しました。

スクラムが機能せず冗長になっていたため思い切ってやめたり、ステージングや本番などの各環境ごとにバラバラだったシステムのバージョンをそろえたり、動作が重いページを速くしたり。開発時間の捻出や、開発のしやすさにつながる部分は、細かい部分からどんどん改善していきました」

(撮影:赤松洋太)

そうして1年目で整えた開発体制をベースに2年目は、ユーザーが撮影予約を入れる「依頼開始時間の変更」の大刷新に着手。

「難易度の高い実装が求められたので、自ら実装に取り掛かりました。なので、2年目はひたすら実装の日々でしたね。3年目の今年は『なるべくメンバーに実装させる』を方針に掲げ、私はペアプロなどのサポートに注力していこうかなと思っています」

次ページトップに立たなければ、エンジニアも組織も守れない
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