「赤身肉は避けたほうがいい」意外な健康理由 霜降り肉のほうが「腎臓」への負担は少ない
リンの過剰摂取は、腎機能低下、慢性炎症の引き金となることがわかっています。
リンは、私たちが生きていく上で必須のミネラルです。体を動かすためのエネルギーになったり、代謝などで重要な役割を担ったりしています。
また、カルシウムとともに骨格を形成する働きもあります。
ところが、リンの過剰摂取によって血中のリン濃度が上昇すると、カルシウムとリンのバランスが崩れ、骨から血液中にカルシウムが放出されます。そのため、骨のカルシウム量が減少する骨軟化症などのリスクが高まります。
また、血液中のリンが血管に入り込んで、骨のように硬くなる石灰化が起こります。
それだけでなく、リンとカルシウム、血液中のたんぱく質が結びつくと、血管の内側を傷つけて炎症を起こしたり、血管が硬くなる「石灰化」を誘導します。
こうして、腎臓の血管が動脈硬化を起こすと、腎臓の機能が大幅に低下します。
腎臓は「体のゴミ」を外に出している
「腎臓は血液をおそうじするフィルター」
このたとえ話、多くの人が耳にしたことがあると思います。
車の場合は、ガソリンを燃料にして動く際に、排気ガスを外に出しています(電気自動車を除く)。それと同じように、人間は空気と水と食物を体内に入れて活動していますが、その結果、体内で発生する有害なゴミ(老廃物)や毒素は、体外に排出しなくてはなりません。
人間の体の細胞の数は、およそ37兆個といわれています。一つひとつの細胞が、血液で運ばれてきた栄養と酸素を受け取り、ゴミや二酸化炭素を戻しています。
ゴミには、次のものがあります。
●クレアチニン……筋肉が運動するためのエネルギー源の燃えカス
●尿酸……遺伝子の構成成分であるプリン体が、肝臓で分解されてできるゴミ
血液に乗って運ばれてきたゴミは、腎臓の糸球体という組織でふるいにかけられて、不要なものは尿として排泄されます。つまり、尿は血液からできているわけです。
腎臓の働きが低下してふるいがザルになると、血液中にゴミが残るだけでなく、必要なものは尿に混ざってどんどん出ていきます。
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