エコキャップ詐欺?あのNPOの法的責任は 提供者は「泣き寝入り」するしかない?
「世界の子どもたちにワクチンを届けよう」と呼びかけて、ペットボトルのキャップのリサイクルを進めるNPO法人が、2013年9月以降、回収したキャップの売却益をワクチン代として寄付していなかったことが明らかになり、批判の声が上がっている。
刑法上の「詐欺」に問えるのか?
問題となっているNPO法人「エコキャップ推進協会」(横浜市)は、2007年の設立以降、回収したキャップをリサイクル業者を通じて売却。その利益の一部を東京都の認定NPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会」に寄付していた。
ところが報道によると、協会は2013年9月以降、キャップの売却益をワクチン代として寄付していなかった。協会の矢部信司理事長は4月10日、記者会見を開いて、「売却益は障害者自立支援事業にあてた」「説明が不十分だった」と釈明した。
たしかに、協会の活動規則を記載した「定款」には、売却益はワクチン代のほか、障害者支援などに充てるとしている。ただ一方で、「エコキャップ詐欺だ」という批判の声も上がっている。はたして、今回のケースは「詐欺」にあたるのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。