エコキャップ詐欺?あのNPOの法的責任は 提供者は「泣き寝入り」するしかない?
「捜査当局としては、だまされてキャップを提供した被害者が特定されないかぎり、捜査のしようがありません。
そもそも、「どのキャップが誰のものか」を特定することは困難を極めますので、善意を踏みにじられた人たちがどのようにして被害届を提出するのかという問題が立ちはだかります。
また、キャップそのものの価値が僅少で、もともと捨てるつもりでいた人であれば、わざわざ被害届を提出することもないと思われます」
民事上の責任は問えるのか?
一方で、キャップを提供した人が「売上をワクチン代に使え」「キャップを返せ」と求めることはできないのだろうか。
「キャップの提供とその承諾・受領は、『贈与契約』ですので、民法のルールに従うことになります。
贈与契約が、売却益をワクチン代として寄付するという受贈者(協会)側の義務を課した贈与であると考えれば、贈与者(キャップ提供者)側は、受贈者に対しその義務の履行を請求できます。
あるいは、贈与契約を解除して、提供したキャップの返還を請求できることになります。
しかし、そうは言っても、自分が特定のキャップを提供したこと、そのキャップの売却益がワクチン代として寄付されていないことの証明は困難でしょうから、事実上、そのような請求は断念せざるをえないと言えます」
このように民事上の責任の追及も難しいということだ。キャップを提供した人は、泣き寝入りということなのだろうか。
「人の善意を踏みにじる行為に対する道義上の責任まで、うやむやにしてしまうことはありません。改善に向けてしっかりと対応していただくように、世間が監視していく必要があると言えるでしょう」
田沢弁護士はこのように述べていた。
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