他人を巻き込む自殺は、「殺人」ではないのか ドイツ機墜落事故、副操縦士の責任は
ドイツ旅客機がフランス南東部で墜落し、乗客乗員150名が犠牲になった事故で、連日の報道の通り、ドイツ人の副操縦士が「意図的に飛行機を墜落させた可能性」が疑われている。
報道によると、フランス検察が同機のボイスレコーダーを分析したところ、墜落前の数分間、同機を操縦していたのは副操縦士で、機長はコックピットから閉め出されていたことがわかった。機長がコックピットに戻すよう要求しても、副操縦士からの応答はなかった。また、副操縦士の呼吸音が聞こえていたとのことで、意識を失った可能性は小さいとみられている。
「道連れ」は自殺と言えない?
もし、副操縦士が意図的に飛行機を墜落させたとしたなら、乗客と乗員はその道連れに巻き込まれたという見方もできそうだ。記者会見で、自殺の可能性について問われたフランスの検察官は「自殺は普通ひとりでするもの。150人を道連れにしたのは、自殺とは言えない」と話したという。
もし仮に日本で、他者を巻き込む形で自殺をし、道連れに殺してしまった場合、何らかの罪に問われることになるのだろうか。刑事事件にくわしい冨本和男弁護士に聞いた。