他人を巻き込む自殺は、「殺人」ではないのか ドイツ機墜落事故、副操縦士の責任は

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「まず、自殺そのものは、犯罪ではありません。しかし、他人を巻き込んで死なせたら、話は別です。自殺が犯罪ではないからといって、他者の生命というかけがえのない利益を侵害することは、正当化できません。

もし、巻き込まれた他人が死ぬことをわかったうえで、『それでも構わない』と思って自殺し、他人を殺してしまったら、それは『殺人罪』になります」

いくら自殺といっても、他人を巻き込んで一緒に殺してしまえば、殺人罪になるわけだ。

なお、飛行機を墜落させて人を死亡させた場合は、「航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律」により、刑法の殺人罪より重い罪になる可能性があるという。

有罪となるには刑事裁判が必要

「ただし、死亡した被疑者が、実際に処罰されるのかというのは、別問題です。被疑者が死亡している場合でも、警察の捜査や書類送検は行われます。しかし結局のところ、書類を受け取った検察は『不起訴処分』を選択することになります。

これは、被疑者が死亡していると、裁判をするための前提条件を欠き、起訴することができないからです」

有罪というためには、刑事裁判をする必要があり、そのためには被告人が生きていることが前提というわけだ。なんともやるせない話ではあるが……。

冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士
債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。
事務所名:法律事務所あすか

 

弁護士ドットコムの関連記事
妻にセックスを断られ続けた夫が「風俗」に行ったら「離婚される」?
「テントを安売りするな」と強制したらダメ 「再販売価格の拘束」はなぜ違法?
「流産した君には配慮する必要がない」と言われた――「マタハラ」最新事情
弁護士ドットコム
べんごしどっとこむ

法的な観点から、話題の出来事をわかりやすく解説する総合ニュースメディアです。本サイトはこちら。弁護士ドットコムニュースのフェイスブックページはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事