元運転手が激白、「東京のタクシーは危ない」 3年間運転手となった作家が知った真実

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東京のタクシー運転手の多くは、午前中から翌日の明け方まで過酷な勤務をしている(撮影:引地信彦)
『潜入ルポ 東京タクシー運転手』(文春新書)の著作があり、取材のため実際に約3年間タクシー運転手を経験したノンフィクション作家の矢貫隆氏。折しもタクシーの減車規制を巡って賛成派と反対派が論争している。その議論の中身に違和感を覚えた矢貫氏が胸中を吐露した。

 

――著作では「楽しい経験など期待しないし、深夜の酔っ払いには不快な思いをさせられる。そんなことは先刻承知、覚悟のうえで始めた」と書かれています。なぜそこまでして体験取材を敢行したのですか。

約40年前、学生のころにタクシー運転手をしていました。当時も厳しい待遇でしたが、さらに職業差別があって誰も実態を知ろうとしてくれない。そのときの悔しい思いがずっとくすぶっていて、だったら自分で実情を世の中に発信しようと思い立ちました。そこで2008年から13年にかけて、計3回、合計で約3年間、東京都内のタクシー会社に勤務をしました。

タクシー業界は超高齢化が進む

――周囲のタクシー運転手はどういう人が多かったのでしょうか。

昔はこの道何十年、運転手一筋をいう人が多かったですが、今は転職してきた人がほとんどという印象です。厚生労働省の調べによると、2013年の全国のタクシー運転手(男性)の平均勤続年数は9.3年と全産業の男性労働者の13.3年と比べて短くなっています。平均年齢も58.4歳と全産業の42.8歳と比べ高齢化しています。経歴はさまざまで、前職に関して「ない職種はない」といわれています。高学歴で元弁護士という人もいました。

私が東京で勤務していたのはちょうど2008年にリーマンショックが起きた後の不景気な時期でした。東京ハイヤー・タクシー協会の調べによると、東京の1日1車当たりの運送収入は、2007年の5万0742円から2009年には4万1148円まで急減しました。東京におけるタクシー運転手の平均年収も2007年の448万円から2010年には348万円まで下がりました。全国平均ではさらに低く、2010年に278万円となっています。

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