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「帝国ホテル」がジム自力運営を成功させた作戦裏 自主積極的に動くミッションコマンド型を活用

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  • 小川 清史 元陸将/元陸上自衛隊西部方面総監
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2023年1月現在、帝国ホテルがジム等を直接運営し始めて2年ほど過ぎていますが、この充実した運営には、実はとある女性マネージャーの存在があります。帝国ホテルという組織の一員であり、公人ではないので名前は出せません(名前を出さないという約束で、インタビューさせていただきました)。

彼女は、このジムの立ち上げ前にはJRに出向していたらしく、今ではJRの目玉事業になっている豪華旅客列車運行立ち上げに参加していたとのことです。本題からは少しそれますが、面白いお話だったのでそちらも紹介させていただきます。

鉄道は、乗客の安全が第一優先であり、確実に時間通りに乗客を運ぶことが使命です。一方、豪華旅客列車は、安全はもちろん大事ですが、別の要素、すなわちお客様に対するサービスが“売り”になります。ある意味、「動くホテル」です。

当然、そのマネージャーはホテルのサービスをJRに根付かせるために請われて出向しました。JRが豪華旅客列車のために立ち上げたチームを「動くホテル」の運営スタッフにしなければなりません。

「お客様にひたすら謝る」はNG

そもそもJRの研修体制は極めて充実しており、従業員の教育体制自体には非の打ち所はありませんでした。ところが、そこには「ホテルマインド」(ホテルのおもてなし精神)を育成する教育プログラムはなかったようです。

また、JRには、その「硬派」なイメージ通り、旧国鉄時代の「官」の文化が色濃く残っているところもあり、毎日が意見の衝突で大変だったと言います。なかでも最も大変だったのはホテルサービスの真髄を伝えること、すなわち豪華旅客列車にとっての一丁目一番地となる「ホテルマインド」を浸透させることでした。

そのためにさまざまなケーススタディを繰り返したそうです。例えば、列車内の個室でシャワーが壊れてお客様が洋服を着たままでびしょ濡れになってしまい、列車乗員にクレームを言ってきたらどうするか。

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【お客様は、そもそも謝り続けてほしいのではない】

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