価格崩壊に債務超過も、「ホテル生存競争」の過酷 続く外出自粛で見えぬ回復の兆し、極まる困窮

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横浜のランドマークでもある「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」は2020年12月末、債務超過に転落している(記者撮影)

「自助努力ではどうしようもない。政府が国民に外出するなと言う以上、マーケティングも無意味」

「緊急事態宣言が出ている間はもうだめだ、首都圏はどうにもならない――」

自粛要請で集客すらできない状況が続き、ホテル会社幹部は怒りと諦めの声を漏らす。

あの帝国ホテルも赤字

ハイシーズンを潰され続けた業界に回復の兆しは見えず、ついに困窮極まりつつある。東京、大阪を中心とする都市部の不振は深刻だ。シティホテル全体の稼働率(観光庁調べ)は4月が29%、5月は23%、6月も28%にとどまった。感染者数が激増したことで出張は自粛。音楽ライブなどのイベントも中止され、観光需要も消失した。

御三家の一角・帝国ホテルの2021年4〜6月期決算は、約30億円の営業赤字。客室稼働率は2割を下回った。婚礼は件数こそ増加したが、列席者を親族に限定するなど少人数化が著しい。法人宴会も停滞したままだ。

「リーガロイヤルホテル大阪」を運営するロイヤルホテルも、25億円の営業赤字に終わった。大阪の稼働率は約25%と低い。

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