「読書が人生変えた男性」のサクセスストーリー 誰も味方がいないのなら本を味方にすればいい

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「自分の味方はすぐ近くにはいないかもしれないけれど、本の中には絶対にいる」

こう考えると、前向きにいろいろなことに挑戦していけると思うのです。
「先生に恵まれない」「上司の教え方が悪い」「尊敬できる人がいるけど、とても私など相手にしてくれるわけがない」と悶々と悩んでいる人もいるかもしれません。

確かに、教え方がうまい先生や上司なんて、そんなに多くはいないものですよね。

それに、たとえ評判の良い先生に巡り会えたとしても、学費が高くて続けられなかったり、先生も忙しすぎて自分のために割いてくれる時間なんてほとんどなかったり……。また、そもそも、評判が良くても、自分の傾向に合っているかどうか、という問題もあるでしょう。

少しのお金で好きな時間に読めるのが本の長所

では、本を先生と考えてみると、どうでしょうか。

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本は読者を差別することがありません。怒ることはないし、やめたければ途中でやめてもかまいません。自分のペースに合わせて、好きなときに、好きなことを勉強できるのです。

本を読むという作業が苦痛に感じる人も、このように考えれば、本を開くことが楽しくなるのではないでしょうか。ちょっと気晴らしに温泉旅行にでも……なんて、どこかに行ったりするよりもずっと安上がりで、もっともっと新しい世界を、あなたの心の中に開いてくれるのです。

新たに学校に通ったり、有料の講座やセミナーに参加したりすることと比べたら、はるかに少額の出費で済みます。

スケジュールも、自分で自由に決められます。本を読むことを、本の都合に合わせて待つなんて必要がないわけですから。読みたいと思ったら、今すぐ買いに行くか、図書館にでも行けばよいのです。それに、書店にまで行かなくても、今ならインターネットを経由していくらでも、あなたの好きな本を見つけて、買うことができるでしょう。

どうか、あなたの気に入った、良き先生となる本を見つけてください。少しのお金を出すだけで、素晴らしい先生たちが、皆、あなたの力になってくれるのです。

中野 信子 脳科学者

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なかの のぶこ / Nobuko Nakano

医学博士、認知科学者。1975年、東京都生まれ。東京大学工学部卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にて、博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教授。著書に『脳内麻薬』『ヒトは「いじめ」をやめられない』『サイコパス』などがある。テレビ番組のコメンテーターとしても活動中。

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