ただし、2022年の9月に26週線をタッチしてから反発するかと思いきや……、大きく下落。この時は配当権利落ち日を通過した後という点に加え、株式分割、さらに日本郵船の収入源である海運の運賃価格が大幅に下落したことが株価下落の要因といわれています。
それなのに、8月の末までにサポートとして機能していた26週移動平均線にタッチしたのを根拠に買った投資家は、大きく含み損を抱えているはずです。
このように、チャートの動きだけで株価の先行きは判断できません。個人投資家の方でもチャート分析の知識はプロ並みにあるのに、実際の売買では全然勝てていない人を何人も見てきました。様々な要因が絡んで株価は決まるため、これは仕方のないことです。むしろ株価の変動理由を「これだ!」と1つに限定するほうが難しいのです。
よく考えれば分かるのですが、移動平均線は株価の終値を結んだだけの線です。「移動平均線がサポートラインにタッチしたから株価は反発する」といった予測をよく見かけますが、何の根拠もありません。気のせいです。
ですから私は、チャートだけでは絶対に判断しません。あくまで「現時点まで価格がどう推移してきたか」がチャートなのです。
基本的には相場環境や企業の成長性、株価の割安さを見た上で、最後に「株が今売られすぎていないか?」「トレンドは転換したか?」といった判断の参考にだけチャートを活用するようにしています。
短期間に売買を繰り返すのも勧められません。特に資金が限られる個人投資家は、どうしても早く利益確定をしようとするため、その後の大きな上昇を取り逃すケースを頻発させています。
さらに、目線が短期だとこの後紹介するような全体相場を見られていないため、勝ちにくい時期にも売買し、結果的に資産を減らします。相場全体が過熱している時だと高値で買ってしまうリスクもあります。
長く相場に残る投資家は「中長期投資家」が圧倒的多数
そもそも、チャートの動きを読むこと自体が簡単なことではありませんし、読めていたとしても心を揺さぶられて判断を誤ります。
経験上断言できるのですが、長く相場に残っている投資家は「中長期投資家」が圧倒的多数です。ウォーレン・バフェットなど世界的な投資家はもちろん、これまでの事業でかかわってきた上手くいっている受講生さんを見ても共通しています。
短期売買で買っているトレーダーも確かに存在しますが、成功している人はごく稀な存在です。投資以外にも日常で多くのことをこなさないといけない個人が再現するのは無理がありますし、再現性で考えると「暴落時のみ買う」中長期投資が私は最も向いていると考えています。
それも、つみたてNISAのような投資信託はもちろん、個別株も組み合わせるとさらに強力です。
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