近年は気候変動が無視できないレベルで悪化してきていますが、自然環境に優しい再生可能エネルギー、電気自動車が急速に普及してきています。米国株のテスラは、コロナ禍で株価が10倍以上になりました。
ほかにも、食料問題を解決する農業テクノロジー、第3のIT革命と言われるブロックチェーンやメタバースなど、先進的なテクノロジーへの投資はとても魅力的に映るかもしれません。しかし、です。その企業が成功するストーリーを夢見て、会社の実態を無視して投資するのはリスクが大きく伴います。
事業は有望でも「株価」の評価は全く別
会社自体は赤字でビジネスとして成り立っていないのに、「将来大化けする」というストーリーや期待で買われている場合は、特に要注意です。
こういったストーリーで買われる銘柄は実体がなく、ひとたび成長が鈍化したり相場環境が悪くなったりするとボロボロに叩き売られることがあります。
例えば、アメリカの代替肉の有望企業であるビヨンドミート(BYND)。バーガー、牛ひき肉、鶏肉などを模した植物由来の人工肉を提供しています。製品はアメリカやカナダをはじめ世界83カ国で販売されています。
マクドナルドやヤム・ブランズが導入するなど、革新的なテクノロジーで食料不足や環境問題の解決に一役買う存在です。その期待もあって2019年の上場以降、株価は5倍近くに。時価総額は一時20兆円を超えていました。
しかし、2019年12月期に営業利益で黒字化しただけで以後、2022年12月時点まで全て赤字。 以降は株価の割高感とマーケット環境の悪化もあり、20分の1に株価は急落(2022年11月時点)しました。
大麻関連企業に投資するETFであるETFMG Alternative Harvest ETF(MJ)。世界的に合法大麻の受け入れが広がりつつあり、新たな成長産業として期待されています。
しかしこちらも、2019〜2022年の3年間で株価が10分の1にまで下落。大麻やマリファナの合法化が実現すれば爆発的な成長が期待できるものの、そもそも合法化にはまだまだ至っていません。 もしも合法化が頓挫した場合は、大打撃どころか企業として存続すら困難でしょう。
このような大きく成長が期待できる銘柄をハイパーグロース株と呼びますが、業績がよくないのにストーリーだけを根拠に長期の成長株として買った個人投資家は含み損を抱えています。
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