孫正義、「1兆3500億円赤字」に立ち込める暗雲 2号ファンド組成不能に、注目の5月18日決算

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孫正義氏の率いるソフトバンクグループは岐路に立っている。写真は2020年2月の決算記者会見の模様(撮影:尾形文繁)

営業利益は1兆3500億円の赤字。純利益は7500億円の赤字——。

4月13日、ソフトバンクグループ(SBG)は2020年3月期の業績予想を発表した。SBGにとって業績予想の開示は今回、初めてとなる。そもそも業績予想を開示していないので、今回の開示はいわゆる「業績予想の下方修正」には当たらない。

純利益は7500億円の赤字に転落

ではなぜ、今になって業績予想を公表したのか。SBG広報部は「保有する上場株式の3月末時点の終値を反映し、その他の情報を含めて見通しがまとまったのが4月13日。市場環境悪化の中、プロアクティブ(積極的)に業績見通しを提供することが投資家の利に資すると考えたため」と説明している。

つまり、東京証券取引所が上場企業に対して求める業績予想修正のルールに従ったものではなく、投資家のために積極的に情報開示した結果なのだという。

業績予想後に見込まれる売上高は6兆1500億円(前期は9兆6022億円、36%減)、営業利益は1兆3500億円の赤字(同2兆3539億円の黒字)。税引前利益は2500億円の黒字(同1兆6913億円、85.2%減)で、純利益は7500億円の赤字(同1兆4111億円の黒字)と、大幅な減収減益となる。

減収幅が約3.4兆円に及んだ主な要因は、アメリカで携帯通信事業を営む子会社スプリントとTモバイルの合併が確実となり、統合後の新会社であるTモバイルがSBGの持ち分法適用関連会社になるためだ(合併は4月1日に完了。同日から持分法適用関連会社に)。合併が確実になったのは3月31日だったとして、2020年3月期にスプリントを本業ではない「非継続事業」とみなした。

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