コロナ後の株高やNISA恒久化などの影響もあり、以前よりも投資をする人が増えている印象の日本。しかし、初心者の中には「これさえしていれば大丈夫」と、思考停止のような状態に陥っている人もいます。はたして、それで大丈夫なのでしょうか。
本稿では、児玉一希さんの書籍『株式投資2年生の教科書』から一部抜粋・再構成してお届け。「妄信すると痛い目を見る『S&P500』の真実」について綴ったパートをご紹介します。
長期の投資というほかにも、世界最強といわれる米国S&P500そのものにも落とし穴があります。
半額になるのも珍しくない…。長期の停滞局面がある
まず30年間で8倍になっているS&P500ですが、その途中には長期の停滞局面があります。
代表的なのが2000年のITバブル崩壊。当時流行したネット起業の株バブルが弾けることで 、高値から40%以上暴落しました。株価がふたたび上昇に転じるまでは実に3年。この期間に積立投資をした人は、ひたすら下落し含み損が拡大する中で投資を続けていたということです。なかなかのメンタルですよね。
2008年のリーマンショックでは高値から50%以上、それも金融機関の破綻を伴って下落しました。 さらに当時は米国経済への信用不安で、ドルから資金が流出。株の暴落と同時にドルの価値も下がったので暴落に拍車がかかりました。
このケースだけでなく1990年代初頭、2020年のコロナショックなど株式マーケットは大きく停滞する場面が定期的に発生します。
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