妄信すると痛い目見る「S&P500」超不都合な真実 資産激減の恐ろしい相場でも継続できますか

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現在においても、コロナショックの下支えのための大規模な金融緩和を行い、経済は1年もたたずV字回復しました。が、インフレを招いてしまい、それを抑えるために金利を高止まり(高いまま下がらない状態に)させざるを得ない状況です。この状況が長く続けば、万能といわれたS&P500指数も長期にわたって停滞する可能性があるでしょう。

60%以上の下落も……。為替変動の影響を大きく受ける

S&P500に投資する際のドル円レートも無視することはできません。

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例えば2007年6月にS&P500指数を1単位買っていたとしましょう。当時のドル円レートは6月末時点で1ドル123円 、S&P500は約1500ポイントでした。日本円にすると123×1500=18万4500円です。

ところが、リーマンショックの後2009年の3月までに大暴落。S&P5000は約700ポイント、さらにドルも1ドル97円にまで下がりました。この時の評価額は6万7900円。2007年6月から下落率にして63%、11万円以上の損失です。

もちろん積立投資であれば、株価とドル円が同時に下落する相場においても淡々と積み立てることが鉄則です。相場環境にいちいち振り回されてはいけませんし、停滞する時期が長いほどその間の安値で積み立てられる金額も大きくなります。安値で沢山買っている分、相場が再び回復した時は大きく恩恵を受けられるでしょう。

しかし、株価が以前の高値を取り戻すまでには数年単位、下手したら10年近く時間がかかります。ドル円チャートにおいても長期で見れば75円~150円を上下に推移していますが、円高(損)に振れた為替レートが円安(プラス)に振れるまでには10年単位で時間がかかります。米国株だけでなく日本株においても、その時投資しようとしている株が属する国の通貨の強弱も見ないといけません。

児玉 一希 株式会社RES代表取締役

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こだま かずき / Kazuki Kodama

1991年生まれ。東京都立大学(旧首都大学東京)卒業後、2014年リクルートグループへ入社。しかし営業成績が最下位になるなどまったく活躍できず、2016年に転職をきっかけに金融教育業に携わる。直接的に指導した人数は2万名を超え、2020年に会社の代表者になってからは、自社でお金や投資を学べる学校を創設。投資家として大事にするのは「再現性」と「継続性」。

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