小学6年生のときのクラスはすごく荒れていた。不良生徒も多く、脅されたり、ケンカをふっかけられたりが日常的にあった。
「当時、僕はケンカが強かったんで、逆にやっつけてたんですけど、勝つと、中学のヤンキーグループから『仲間に入らないか?』ってスカウトが来るんですよ。それですっかり、嫌になっちゃって私立の中高一貫校に進学しました」
私立の学校に進学したからといって、勉強をするようになったわけではなかった。
将来についても、
「大企業に就職しても、それで一生安泰というわけでもないし、会社員になりたいわけでもないしなあ……」
と煮え切らなかった。
リアル『ドラゴン桜』で東大合格果たすも
「高校3年生の時に『ドラゴン桜』という漫画を読みました。『こうやって勉強したら成績が上がる』みたいなことが書いてあって、『東京ってやっぱすごいなあ』と思いながら、勉強を始めました」
『ドラゴン桜』(講談社)は2003年に連載が始まった三田紀房作の漫画だ。
元暴走族の弁護士が、受験テクニック、勉強方法を教える異色の受験漫画で、2005年にはドラマ化もされた。阿部寛さん主演で2021年にも続編にあたるドラマが放送され、記憶に残っている人も多いだろう。
「そしたら結構手応えがあって、成績は上がったんですけど、東京大学は落ちてしまいました。それで香川県の予備校で1年浪人して、再挑戦することにしました」
予備校では東京大学を目指す人はほかにはおらず、『ドラゴン桜』を読みながらコツコツと勉強した。
1年間の努力が実り、益田さんは無事に東京大学に合格した。
しかし、なんと益田さんは東京大学に行かない決断をする。同時に合格していた、防衛医科大学校に進学することにする。
「予備校は寮生活だったんです。中高時代ってあんまり友達ができなかったんですけど、予備校の寮では結構友達ができて楽しかったですね。そこの寮長をしていた方が元自衛官で、
『防衛大学はタダだし、親孝行になるよ』
って勧めてくれていたんです。
それに東大の医学部に行くと医局(=大学内のグループ組織のこと)とかいろいろめんどくさそうだとも思っていて。
自衛隊に入って国のために働くのもいいかな? と思いました。
東大を蹴る人はほとんどいないらしくて、東大から『本当に大丈夫ですか?』って電話がありました(笑)」
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