海外ではすでに断酒会をはじめとしたオンライン自助会が運営されていた。
それらはキリスト教会が中心になって作られていることが多く、日本にはそういうカルチャーがあまりない。そのまま真似すればうまくいくかと思ったが、なかなかそうはいかず、現在も試行錯誤の連続だという。
「今のところ収益化はあまりできてないですね。ただ収益にこだわるつもりはあまりなくて。アメリカでは数万人単位の自助会を2~30人で回していたりします。だから僕の自助会も会員数が増えて、将来的には寄付だけで回せるようになったらいいな、と思っています」
YouTubeを見た出版社の編集者から連絡があり、本も出版することになった。
2022年に、『精神科医がやっている聞き方・話し方』(フォレスト出版)、『精神科医の本音』(SBクリエイティブ)の2冊を上梓。
最新刊は今年2023年の2月に発売された『精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法』(KADOKAWA)だ。
架け橋を作りたい
「編集者に、
『毒親本ブームだからそれにまつわることありますか?』
と聞かれて書きました。
『親の幻想を解く本』と言ってもいいかもしれないですね。みんな必要以上に、親のことを大きく、立派だと捉えすぎたりしてませんか? という話です。
たとえ親であっても、知的レベルが違う場合もあります。年齢のギャップもあります。また、親が実は発達障害だったというパターンも少なくありません。
『お弁当作ってくれなかった』
『時間やお金に厳しすぎた』
とか言うけど、実はそれって発達障害の症状なんじゃないの? という。
それを知って許せる人もいるし、許せない人もいます。でも知識としては知っておいたほうがいいと思います。そんなことを1冊の本にしました」
昨今、毒親が取り上げられることは多いが、実際には過去に比べて、毒親で悩んでいる人は減っているという。
「今の親は優しい人が多いので、若い人で親を恨んでいる人は少なくなりました。
僕の少し上くらいの世代の人の親は支配的な人が多かったですし、強制的に、
『勉強しろ!!』
とか言われたりしていたし、親子関係に問題を抱えている人が多かったですね。
もちろん今も一定数の人が問題を抱えています。ただ社会全体としては確実に良くなっていますね。その他の偏見や虐待も減っています」
メンタルヘルスクリニックを経営、YouTubeを配信、自助会を運営、本を執筆、とマルチに活躍する益田さんだが、今後どのような活動をしたいと思っているのだろうか?
「今現実に困っている人たちと、世間の人たちの関心との架け橋を作りたいと思っています。ただ、まだ考えているだけで、何もしていない状態です(笑)」
益田さんが、新たにどのような活動を始めるのか、心待ちにしたい。
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