「保険はできるだけ入らない」が世界の常識

日本の保険はガラパゴス状態

ところがその医療保険ですら、5000万人近い人たちが入っていなかったのが実情です。米国が長らく悩み続けている無保険者問題です。ついにオバマ大統領は「オバマケア」と呼ばれる、医療保険加入を強制化する法律を成立させ、昨年より施行されています。

このように、必要な保険までなかなか入らないのが、保険大国と言われる米国の実態なのです。

ヨーロッパではもっと「保険に入らない」

欧州に目を転じても、英、仏、独といった先進諸国の人たちは「保険にはできるだけ入らない」と考えています。その傾向はむしろ米国よりも強いと思われます。

保険発祥の国・英国で売られているのは、ほとんどが一時払いの年金保険です。フランスでは、伝統的に銀行での保険販売が盛んですが、売られているのは、投資信託などと同じ運用目的の保険です。どちらの国の人々も、日本では代表的な死亡保険にはほとんど入りません。

生命保険料総額では、世界の1位が米国、2位が日本、3位英国、そして4位仏国と続きます。しかし、その中身をよく見てみると死亡保険、がん保険、医療保険のような保障系の生命保険は、日本以外ではわずかしか売れていません。日本こそが世界トップの保障保険大国なのです。

では、なぜ日本人はこのように保険好きなのでしょうか。その大きな理由として、次の3つが挙げられると思います。

ひとつ目は、戦後からバブル崩壊まで、長い間続いた高度成長経済です。この間、人々の給与は上がり続けました。そして豊かになったフトコロが、膨張する保険料負担を支えました。経済的余力があったからこそ、日本人は多くの保険に入ることができたのです。

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