山口達也の「会社設立」に静かな覚悟が見えた理由 社会的意義のある事業だけに今後の姿勢が重要だ

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SNSやプレスリリース、記者会見といった「表現の場」で何かを伝えるために、ほとんどの企業は「巧みな言葉」を「数多く」連ねることで、読み手を「説得」しようと試みる。

だが、言葉を重ねすぎることで、逆に読み手の想像力を奪うこともある。山口氏の「巧まざる、数少ない言葉」は「静かだが、確固たる決意」を、読み手に「自然と」想起させるものとなっているのだ。

アルコール依存症が社会課題なのも大きい

さて、山口氏の会社設立に「支持の声」も出た3点目の理由は、山口氏の新会社が掲げる「アルコール依存症からの脱却」が大きな社会課題だからだ。

山口氏が犯した「未成年への強制わいせつ」に同情する者などいない。だが「酒の席での失敗」であれば、私を含め、少なくない人に心当たりがあるはずだ。

厚生労働省の調べでは、依存症が疑われる人は全国で約107万人に達するという。「コロナ禍」による自粛疲れやテレワークで孤独が深まり、酒量が増えたという人も珍しくない。

このように社会課題の解決を掲げることは、中小企業やベンチャー企業がメディア、そしてメディアの先にいる視聴者や読者の広範な支持を得るための「必勝の方程式」なのだが、山口氏の場合、起業に真面目に向き合っている印象を強くしているのが、「証拠」の列挙だ。

サイトの略歴の項目には、「2022年3月 ASK認定 飲酒運転防止インストラクター資格取得」「2022年6月 JADP認定 メンタル心理カウンセラー資格取得」「2022年10月 ASK認定 依存症予防教育アドバイザー資格取得」と、アルコール依存症患者の支援に必要となりそうな資格を昨年、立て続けに取得したことが書かれている。また、すでにオンライン・オフラインのイベントに登壇していることも書かれている。

起業したばかりの「何も持たない者」が、ただ「大きな社会課題の解決」を掲げても、さすがに信憑性に欠ける。ベンチャー企業の経営者に対し、私は「起業ストーリーのなかでは『この人なら、これから実現してくれそうだ』という『証拠』も併せて示すのが大事です」といつも伝えているのだが、山口氏の今回の発表には、意図してか意図せずしてか、ベンチャー企業の広報に必要な「勝利の方程式」の構成要素が揃っていたのだ。

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