山口達也の「会社設立」に静かな覚悟が見えた理由 社会的意義のある事業だけに今後の姿勢が重要だ

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そして「アルコール依存症の解説」、「兄からの励ましの言葉」が続いている。「会社概要」を見ると、「これまでの経験を活かし『アルコール依存症の周りにいる方々』、『依存症全般』に対する講演活動。また自分の経験を活かした『企業向けの危機管理セミナー』を開催したいと考えています」と、新会社の事業目的が記されている。

批判の一方で支持の声も出た3つの理由

前述したように、賛否両論となっている今回の発表。それでも、活動再開を支持する声も少なくなかった背景には、3つの理由がある。

ひとつは2018年の飲酒中の強制わいせつが発覚した際に、「逃げずに謝罪会見をしたこと」だ。もし謝罪会見をせず、「反省文の発表」だけで済ませていれば、延々と「会見をしなかったこと」を批判され続ける羽目になっていたはずだ。

とはいえ、このときの謝罪会見は決して「巧みな危機対応」ではなかった。謝罪会見であるにもかかわらず、会見の終盤に「席があれば、またTOKIOとしてやっていけたら」と発言。「TOKIOへの早期の復帰」に色気を見せてしまったからだ。

山口氏本人としては「率直な言葉」を口にしたのだろうが、これはあまりに軽率だった。謝罪会見なのに早々に復帰への色気を語れば、「所詮その程度の反省なのか」と謝罪が軽いものに見えてしまうからだ。実際、ネットでは批判の声が噴出していた。

この山口氏の「大きなエラー」が後々まで「致命傷」とならずに済んだのは、TOKIOの他のメンバーたちの記者会見が大きかった。会見でTOKIOの松岡昌宏氏は「『自分の席があるならまた戻りたい』という彼の甘ったれた意見は、どこから出るのだろうとずっと考えていました。そんな甘さの根源がTOKIOなら、早くなくしたほうがいい」と、声を震わせながら語った。この松岡氏の真摯な言葉は、多くの人たちの胸を打つものだった。

TOKIOの会見では、山口氏が土下座して他のメンバーに詫びたうえで、TOKIOを辞める意志を伝えていたこと。さらにジャニーズ事務所へ退職願を提出したことも明かされた。山口氏自身が会見のときよりも、今はさらに深く反省していることが示されたのだ。

この会見の後、「山口氏はまだ反省が足りないのではないか」という批判の声はいったん、沈静化することになる。山口氏の「大きなエラー」を、仲間の「ファインプレー」が救ったと言えるだろう。

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