山口達也の「会社設立」に静かな覚悟が見えた理由 社会的意義のある事業だけに今後の姿勢が重要だ
さて、山口氏の会社設立に「支持の声」も出た理由の2つ目は「仕事への色気を一切見せていないこと」だ。
「謝罪」や「不祥事からの復帰」では、「色気を見せないこと」が危機対応の鉄則だ。「反省の本気度」が疑われることに加え、「他人の金儲け」を応援したい者などいないからだ。前述したように、かつて山口氏は事件発覚時の記者会見で「エラー」を犯していたが、この時の反省を、今回は大いに活かした格好だ。
「色気だらけ」だとどんな再始動になっていた?
もし、一般的な企業の新サービス発表のような「色気だらけ」の場合は、どのように情報を打ち出すだろうか。
最初に、サイト開設と同時に「新会社設立のお知らせ」などと題したプレスリリースを、マスコミ各社に展開する。山口氏のような注目度の高い存在であれば、「新会社設立の記者会見」も併せて開くこともある。
さらに「アルコール依存症患者の支援のための会社をつくるので、支援をお願いします」と銘打って、クラウドファンディングを用いた告知と資金調達まで行うかもしれない。実際、不祥事を起こした著名人が再起を図るとき、そういった行動に出ることは決して珍しくないだろう。
だが、今回の山口氏の「復帰劇」では、こうした情報拡散を目論む「色気」は皆無だ。新会社のサイト公開は3月19日。ツイッターのアカウント開設は22日。スポーツ紙などのメディアが取り上げだしたのが24日とサイト公開から5日後だ。「公開から数日遅れの記事」から見えてくるのは、山口氏の側から「懇意のメディア」への働きかけは一切、行われていないということだ。もし何らかの働きかけがあったなら、開設と同時に本人の復帰インタビューと併せた記事を大きく掲載するだろう。
ツイッターの公式アカウントの書き込みも、実にそっけないものだった。新会社設立までの経緯、あるいは今後の活動予定すら無い。「山口達也です よろしくお願いいたします」。ただ、これだけなのだ。
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