飲酒はNGか?「質のよい眠り」を極める睡眠前行動 仕事の効率を上げたいなら睡眠は削らない事

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「どんな一流アスリートのトレーナーやセラピストであっても忘れてはいけないのは、回復のプロセスに終わりはないということだ」と彼は言う。

「レブロンの試合時間が40分の日と、28分の日があるとするよね。どちらでも、トレーナーとしてのいちばんの優先順位は変わらない。回復だよ。栄養バランス、水分補給、柔軟体操、トレーニングルーム。すべての面に気を配る。本当に終わりがないんだ」

ジェームズが絶対に譲らない日課が、睡眠だ。まるでスリーポイントシュートの研究をするかのように、ジェームズとマンシアスは睡眠について熱心に研究し、戦略を練った。

「毎日、毎日、睡眠について質問攻めだよ」とジェームズ。「どれくらい眠れた? 何時に寝た? ちゃんと8時間寝た? 9時間? しつこいくらい聞いてくる」

アスリートであれ誰であれ、ベストのパフォーマンスのためにはきちんと休んでいることが必須条件だとマンシアスは考える。昨晩、8〜9時間寝られていない読者は、今日ベストを尽くせない可能性が高いということだ。

よく寝ればパフォーマンスが上がる

マンシアスが言っていることは、科学でも裏づけられている。

2011年に『Sleep』という論文集に発表された研究によると、スタンフォード大学のバスケットボールチームの選手たちは、睡眠時間を増やすことで成績を上げたそうだ。

基本的な能力が整ったところで、選手たちは10時間眠るように指示された。普段は6時間から9時間寝ている選手たちだ。すると実験期間の終わりには、プレーの正確さが9%向上した。走るのも早くなり、試合でも練習でもパフォーマンスが向上した。

パフォーマンスを10%向上させるためには、どのくらいの努力が必要だろう? でも本当に必要なことは、毎日寝る時間を少しずつ増やせばいいのかもしれない。

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そして彼は、バスケットボール選手はもちろん、他の分野でも高いレベルで活躍する人ほど眠る必要があると主張する。

「ビジネスパーソンでも、医師でも弁護士でも、眠らなきゃだめだよ。NBAの試合でも法廷や病室での戦いでも、それがなんであれ回復には睡眠が必要なんだ。眠ると体が自然に回復する。だから欠かしちゃだめだよ」

「8時間寝る時間なんてない。仕事が山積みだから」とか、「休みの日に寝だめしよう」とか考えている、そこのあなた。明日がつらくなるだけだ。眠らなければやる気もエネルギーも湧いてこない。仕事もうまくいきっこない。

あなたがなにをしていようと、高みを目指すなら、ジェームズと彼のトレーナー、マンシアスのように、睡眠のことを真剣に考えよう。

ジョン・フィッチ ビジネス・コーチ、エンジェル投資家、ライター

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じょん・ふぃっち / John Fitch

仕事中毒から立ち直りつつあり、この本は昔の自分を念頭に執筆した。テキサス大学オースティン校で経営とメディアを学んだ。デジタルプロダクト・デザインによりキャリアを積み上げ、働く人が楽しくなさそうな仕事の自動化を推進する技術開発に投資するエンジェル投資家。未来の経営と働き方に大きな興味があり、近い将来、みんながクリエーティブな仕事をするだろうと考えている。ディナーパーティーを企画し、新しいアイディアやひらめきに出会うのが好き。柔術に励み、新しいところを旅したり、スイカを栽培したり、音楽を演奏したり、大好きな人とダンスしたりしている。

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マックス・フレンゼル AI研究者、ライター、デジタル・クリエーティブ

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まっくす・ふれんぜる / Max Frenzel

インペリアル・カレッジ・ロンドンで量子情報理論を研究し博士号を取得後、東京大学のポスト・ドクター・リサーチ・フェローとして着任。AI研究とプロダクトデザインを組み合わせるスタートアップ事業に多数参加。最近の関心は、クリエーティビティーとデザイン、音楽にAIやディープ・ラーニングなどを融合させること。かかわったAIアートの中には、ロンドンのバービカン・センターに展示された物もある。AIとクリエーティビティーをテーマに講演活動も行っている。タイムオフの時間には、おいしいコーヒーを楽しむ。パン焼き名人になるための練習も欠かさない。

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