飲酒はNGか?「質のよい眠り」を極める睡眠前行動 仕事の効率を上げたいなら睡眠は削らない事

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僕たちが思うよりもずっと長く、カフェインは血中に残っているのだ。コーヒーをどれくらい、どのタイミングで飲むべきかよく考えよう。

アルコールも睡眠に関わりのある、誤解されやすい物質である。アルコールには入眠作用があると信じられているが、睡眠薬と同様、眠れているようでも、質はとても悪い。鎮静と睡眠は同じではないのだ。

そしてアルコールは、睡眠を細切れにしてしまう。何度も起きてしまい、(翌朝覚えていなくても)レム睡眠をさまたげる。少しのアルコールでも、睡眠の効能を台無しにしてしまうのだ。

盛り上がっている場を冷ますようなことはしたくない(それにときどき飲みたくもなる)だろう。しかし、ちゃんと眠りたいなら、可能な限りアルコールの摂取は避けるべきだ。とくに、就寝前のアルコール消費には注意しよう。

よい睡眠のための要素として、おそらくいちばん見過ごされがちなのは「温度」だ。僕たちの先祖は洞窟で眠っていた。静かで寒い暗所だ。しかし現代社会の僕たちは、暖かすぎるところで寝ることが多い。眠りやすくするためには、体の深部体温を1度下げる必要があるといわれる。暖かい部屋で分厚い布団にくるまっていては、難しい。

室温を15〜19℃の間に調整できればいちばんいいだろう。肌寒く感じる人もいると思うが、慣れると冬眠するクマのようにぐっすり眠れることに気づくはずだ。

また、逆効果のように聞こえるかもしれないが、寝る前の温かいシャワーやお風呂もおすすめだ。温かくなるとなにが起きるかというと、お湯が体の表面に血液を集め、深部体温を下げてくれている。入眠を速め、眠りの質も高めるのだ。

「洞窟」での睡眠に戻ろう

そして最後に、光だ。人類は人工的な光によって、自然の太陽光による光と闇のサイクルから抜け出した。しかし、そのせいでサーカディアン・リズムがおかしくなったのも事実だ。日中の強くてまぶしい光と、夜の闇ではなく、起きている間中ずっとぼんやりとした室内の灯りに照らされている。このような環境では朝からスタートダッシュをかけるのも、夜に穏やかになって眠るのも難しい。

解決法として、なるべく朝の早い時間に日光を浴びるようにしよう。そして、寝る前の時間はできるだけ寝室を暗くしよう。LEDやバックライトなどのブルーライトは極力避けたほうがいい。この種の光は、体にまだ昼だと思わせ、メラトニンの産出を鈍らせるため入眠しにくくなる。

だから今夜はロウソクを灯して、スクリーンから離れて過ごしてみてほしい。涼しい洞窟でぐっすり休息の眠りについてほしい。そうすれば次の日、すごいことができる。研究で大発見するかもしれない。クライアントがうなづいてくれるかもしれない。NBAで優勝するかもしれない。

レブロン・ジェームズは伝説的なバスケットボール選手だ。

アメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」は、2011年からずっと、彼をNBAで活躍するトップアスリートと称している。NBAで4回のチャンピオンに輝き、4度のNBAファイナルMVP、オリンピックでもふたつの金メダルを獲得した。

バスケットボールコート内で、彼が多くの練習をしてきたことは疑いようがない。しかし、彼のトレーナーであるマイク・マンシアスによると、彼のパフォーマンス、スキル、そしてスタミナの秘密はコートの外にあるらしい。

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