「アマゾン」のCEOであるジェフ・べゾスは、株主のための行動のひとつに睡眠をあげている。「スライブ・グローバル」とのインタビューで次のように述べている。
「睡眠を削って、生産的な時間を増やそうとする。そんなのは、ただのまやかしかもしれないね」
なにかを極めたいのなら、まずは睡眠を極めること。真に仕事ができる人は決して睡眠不足でない。
重要なのは、睡眠にきちんと時間をかけること。少なくとも、8時間をきちんと確保することだ。本当の緊急事態以外は、睡眠時間は厳守しよう(小さい子どもを育てている場合は常に緊急事態のようなものだが)。
そして睡眠時間の枠は毎晩、同じ時間に設定しよう。すると気持ちはゆったりとして、体も休む時間なのだと理解し、起床時間もわかるようになる。
ランチのコーヒーが眠りを妨げる
しかし、睡眠時間は十分に確保しているのに、眠れないという人もいるだろう。自分のことを不眠だと思っている人は少なくない。もちろん本物の不眠症に苦しんでいる人もいるが、自分で不眠の原因を作っている場合もある。
カフェインは、世界でいちばん普及している薬だろう(この本を書くのにもカフェインの力を借りた)。しかし、カフェインはアデノシンをブロックし、体に疲れを感じさせなくしてしまう。朝起きて、集中したいときにはぴったりだが、夜は眠れなくなる。
カフェインの半減期は個人差があるが、およそ5~6時間だといわれる。つまり、正午にコーヒーを飲んだらその4分の1は真夜中になっても血中に残っている(!)。そして多くの人が、夕方までにコーヒーを何杯も飲む。
筆者のひとりマックスは数カ月間、彼の(わりと平均的な)血中カフェイン量を記録した。その結果、起きる時間(午前8時)になってもまだ血中に20〜30ミリグラムのカフェインが残っていた(シングルショットエスプレッソの半分の量だ)。