最近の傾向として特徴的なのは、そうした学校選びやお受験への勉強に父親が積極的に関わる家庭が増えたことだと言う。学校説明会や受験のための知育教室の送迎にも、父親の姿が実際に増えてきている。
「最近は、お父さんとお母さんの姿勢も視点もシンクロするようになったと感じますね。今やお父さんも家事をするのが当たり前ですし、育児も積極的に関わっています。
収入も男女で差が縮まってきていますし、役割も一緒なので、教育や子育てや細かいところにお父さんがよく気づくようになっていますよ。夫婦で同じ熱さで取り組む家庭は、学校側も教育サポーターとして心強いですしね」(野倉氏)
これまでは、お受験にワーキングマザーの家庭は不利だと言われてきた。専業主婦家庭こそ子育てに力を入れてきたというイメージが先導していたが、共働きが当たり前になった今、母親が仕事をしているかどうかで判断していては、学校側も評判を落としてしまう時代だ。
現にワーキングマザー支援を全面的に謳い、給食やアフタースクールの充実に力を入れた新渡戸文化学園のような私立小学校はここ数年で一気に人気を上げている。
方針、特色、教育内容…十人十色の私立選び
そして、向かい受ける私立小学校側も変わりつつあると野倉氏は言う。
「これまで卒業生の子息を優先するようなOBOG王国だった私立も、それによって校内の循環が滞ってしまったことに気づきつつあります。企業でもそうですが、イノベーションを起こすには新しい風が必要です。組織として同じ人ばかりでは変革しづらいので、新しい人を入れ始めている。
これまでのコネ重視よりも実力や学校の方針と共感できるかなどで、家庭を選ぶ学校が増えてきています。そのため、これまでハードルが高かった慶應横浜、学習院、青山学院、立教など伝統的な有名大学附属校も、一般家庭からの合格も多く出始めていますね」
昨今は、これまでの伝統的な有名校人気に加え、前述のようなワーキングマザー支援が充実した学校、そして時代に即したIT教育の充実を図り、保護者との情報交換のペーパレス化を進めている宝仙学園、さとえ学園や英語教育を週6時間授業の農大稲花やIB(国際バカロレア)の玉川学園、中学受験にも対応できる洗足学園や宝仙学園、目黒星美学園、昭和学院など、特色ある学校が受験者数を伸ばしている。
家庭方針に沿った学校選び、教育選びができるようになってきた私立小学校受験。これからさらに検討する家庭も増えていくだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら