「難関試験に合格する人」が実践するただ1つのコツ ただ長時間勉強するだけでは到達できない

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だが、「点検」に関しては違う。高校までは両親や先生といった「チェック機関」がまわりに多いので、あえてみずから点検することも、しなければならない必要性も、いや、最初から「点検」そのものを認識することさえできていない。

そのような状態で大人になって「試験勉強」をすると、欠陥が生じる。勉強というのはもともと「計画―実行―点検」の3段階でするべきものなのに、これまで計画と実行にだけエネルギーを注いできたため、点検する段階をたびたび忘れて勉強を進めてしまうことになる。

そのような意味で、大人になってからの試験勉強は、どれほど正確に点検が行われるかによって合否が左右されると言っても過言ではない。

学習のあとに「どのくらい定着したか」

教授の話を聞いてからは、これまでの私の勉強が別物に見えた。国家の権力も、国会、行政府、司法府に分かれていて、計画を樹立する機関と計画を実行に移す機関、計画と実行の適正性を検討する機関をそれぞれ異なるプロセスに従って動かしているではないか。その中のひとつが抜けるなんて! そんなことになればバランスが崩れてしまうだろう。

勉強もそのように段階を分けてアプローチしなければならないと、教授との面談から知ることができた。ただ頑張るのではなく、どのような計画を立てるのか、どのようにどれくらいの期間それを実行するのか、計画と実行が適切に行われているのか、それを確認し点検するという順序で勉強しなければならない。

そして、この3段階を意識して勉強計画を立てなければならないのだ。さらに、勉強を3つの段階に分けることは、勉強の細部にも影響を与える。たとえば、その日勉強した内容を振り返ることを「復習」と考えるだろうが、振り返ってみてそもそも頭に残っていることがなければどうだろうか?

その場合、その日の勉強は「勉強」に思える行為をしただけで、実際に勉強したわけではない。それならば復習ではなく、再学習が必要だ。そのことには、知識が頭に定着しているかどうかを確認するための点検段階なしには絶対に気づけない。

私は点検作業のために、毎日2、3時間勉強するごとに10~15分ほどの時間をもうけて、今まで勉強した内容がどれぐらい定着したかを確認するようにした。

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