天気や世間話は卒業、「雑談がうまくなる」話し方 日本人の挨拶は、社交辞令と演技と決まり文句

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ビジネスシーンにおける雑談、日本と世界の内容の違いとは。一流は雑談で何を話しているのか?(写真:Taka/PIXTA)
一般的に日本では、取引先との商談などを始める際に、本題に入る前のイントロとして雑談を交わします。天気の話など、そのほとんどが「とりとめのない会話」です。
しかし、世界のビジネスシーンで、一流のビジネスマンが本題前に交わしているのは、お互いの行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーションだといわれます。
世界の一流は雑談で何を話しているのか? そこから私たちが学べることは? 元Googleの人材開発責任者で経営コンサルタントのピョートル・フェリクス・グジバチ氏が、新刊『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』をもとに3回にわたり解説します。

日本の雑談に多い定番フレーズ

日本のビジネスマンと話をすると、「日本語が上手ですね」とお世辞をいわれることも少なくありませんが、実は日本語は非常に覚えやすい言語だと思っています。日本人は気づいていないかもしれませんが、日常的に交わされる会話には「定番のフレーズ」が多いという特徴があるのです。

「お世話になっております、ピョートルさん」

「どうも、お久しぶりです」

「今日は暑いですね?」

「そうですね」

「お元気ですか?」

「お陰様で、元気にやっています」

「今日は本当に暑いですよね」

「ホント、そうですね」

この会話からわかるのは、「今日は暑い日」であり、「私は元気」ということだけです。わざわざ言葉を交わさなくても、向かい合うだけですぐにわかるようなことですが、これが日本の「雑談」の典型的なパターンです。外国人の目から見ると、おそらく3分の1は必要がないと思えるほど、決まりきった言い回しが多いのです。

シニカルな見方をすれば、日本人の雑談は、「社交辞令」と「演技」と「決まり文句」の3つで構成されているといえます。

それは日本人の「奥ゆかしさ」とか「謙虚さ」の表れなのでしょうが、外国人の目には「日本人は本音を言わない」とか、「何を考えているのかわからない」と映っているのです。

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