海外旅行で「教養つく人」「つかない人」分ける視点 旅の予習をすれば、観光地を見る目も変わる
「海外旅行はよく行くけれど、帰ってくると、“綺麗だった! すごかった!”で話が終わっちゃうんですよね」「観光地を見ているときに、“ああ~もう少し勉強してくれば、もっとワクワクしながら、現地ガイドの話も聞けたのになぁ”といつも思うんですがね……」
これは、私がエジプトでピラミッドをご案内しているときに、お客様からよく聞く言葉です。海外旅行好きの人は、似たような経験があるのではないでしょうか。
しかし、「世界史を勉強しておけばよかった!」とそのときは思っても、その世界史の分厚い教科書ではなかなか勉強が進まないかもしれません。
そこで、「歴史を知ることで旅を豊かなものにしたい」人のために、世界史の目でいくつかの有名観光地を紹介していきます。旅の予習をすれば、観光地を見る目が変わることを実感していただけるでしょう。
宗教共存の歴史を感じるラテン情熱の地・スペイン
歴史的な建造物も多く、海外旅行の定番の地と言えるスペインは、どのようにして生まれてきたのでしょうか。
古代文明が発生した紀元前3000年頃から、北アフリカに起源を持つとされるイベリア人と、東方から移住してきたケルト人の混血であるケルト=イベリア人という先住民がイベリア半島(現在のスペイン・ポルトガルが位置する半島)に住むようになったとされています。
紀元前1200年頃から植民活動を開始したフェニキア人が、北アフリカにある現在のチュニジアに建設したカルタゴを拠点とし、イベリア半島東岸から南岸にかけて支配領域を拡大させていきました。イタリア半島を統一したローマ人(ラテン人)が前3世紀から前2世紀にかけてカルタゴとの戦争(ポエニ戦争)を展開し、最終的にイベリア半島を含む西地中海はローマの属州(プロビンキア)となったのです。
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