ベトナムを甘く見る人が知らない「驚くべき正体」 戦争のイメージが強いが、発展の萌芽があった

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今知るべき8カ国の中から、ベトナムの魅力をご紹介します(写真:SHOGO-photography/PIXTA)
日本を理解するためには、世界を知ることが大切。しかし、難しいことばかりでは頭に入ってこないもの。そこで、今知るべき8カ国を旅行者の目線でまとめたのが池上彰さん・増田ユリヤさんの共著『世界の歩き方: 歴史と宗教がわかる!』です。
世界遺産・教会やモスク、おすすめグルメなど、2人が旅したときのエピソードを交えながら、わかりやすく解説。今回の記事では、本書よりベトナム編について、一部抜粋・再構成してお届けします。

おしゃれな書店がたくさんあるホーチミン

池上:それでは各国の歴史と宗教を中心に、それぞれの国の魅力を紹介していきましょう。まずはアジアの国から、1か国目はベトナムです。私の世代は、ベトナムというと1970年代のベトナム戦争の記憶が強いのですが、ベトナムに行ってみると、いい意味で裏切られて、こんなに経済が発展しているんだと驚きます。

その国が発展するかを判断するひとつの基準として、私は書店がどれぐらいあるかを見るようにしているのですが、2000年ごろにベトナムのホーチミンに行ったら立派な書店がありました。書店の中にいたら、たまたま万引きしようとした若い男性が取り押さえられたんです。どんな本が欲しかったんだろうと思って見たら、英語の参考書だったんです!

増田:何だか切ない話だわ。万引きしてまで英語の勉強をしたかったなんて。

池上:ホーチミンは暑いので、お店の人たちは店が暇なら、昼寝でもしているのかなと思ったら、店番の若者たちが日陰で本を読んでいたんですよ! これは、ベトナムは発展するなと思ったら、案の定ですよ。同じ時期に中国の上海にも行ったのですが、学習参考書のコーナーに若者が群がっていて、中国もこれから発展するなと思いました。

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