ベトナムを甘く見る人が知らない「驚くべき正体」 戦争のイメージが強いが、発展の萌芽があった
おしゃれな書店がたくさんあるホーチミン
池上:それでは各国の歴史と宗教を中心に、それぞれの国の魅力を紹介していきましょう。まずはアジアの国から、1か国目はベトナムです。私の世代は、ベトナムというと1970年代のベトナム戦争の記憶が強いのですが、ベトナムに行ってみると、いい意味で裏切られて、こんなに経済が発展しているんだと驚きます。
その国が発展するかを判断するひとつの基準として、私は書店がどれぐらいあるかを見るようにしているのですが、2000年ごろにベトナムのホーチミンに行ったら立派な書店がありました。書店の中にいたら、たまたま万引きしようとした若い男性が取り押さえられたんです。どんな本が欲しかったんだろうと思って見たら、英語の参考書だったんです!
増田:何だか切ない話だわ。万引きしてまで英語の勉強をしたかったなんて。
池上:ホーチミンは暑いので、お店の人たちは店が暇なら、昼寝でもしているのかなと思ったら、店番の若者たちが日陰で本を読んでいたんですよ! これは、ベトナムは発展するなと思ったら、案の定ですよ。同じ時期に中国の上海にも行ったのですが、学習参考書のコーナーに若者が群がっていて、中国もこれから発展するなと思いました。