日本人が出稼ぎ「シンガポール」発展と歴史的背景 人材重視の「罰金の国」を池上彰・増田ユリヤが解説

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今知るべき8カ国のうち、シンガポールを紹介します(写真:Atsu94/PIXTA)
日本を理解するためは、世界を知ることが大切。しかし、難しいことばかりでは頭に入ってこないもの。そこで、今知るべき8カ国を旅行者の目線でまとめたのが池上彰さん・増田ユリヤさんの共著『世界の歩き方:歴史と宗教がわかる!』です。
世界遺産・教会やモスク、おすすめグルメなど、2人が旅したときのエピソードを交えながら、わかりやすく解説。今回の記事では、本書よりシンガポール編について、一部抜粋・再構成してお届けします。

世界中からシンガポールに働きにくる

増田:私の大学時代、いまからもう40年近く前の話になりますが、シンガポールといえば、香港と並んでブランド品のショッピングを楽しむ国だったという印象があります。日本より品ぞろえもよく、安く買えるというイメージです。シャネルの化粧品やルイ・ヴィトンのバッグなど、はやりのものや、日本では売っていない商品をゲットするのが旅行の楽しみの1つだった時代です。

池上:まさに昭和末期、バブル時代の話ですよね。日本も海外旅行に出かける人が増えた時期だけど、治安がよくて、時差も1時間、飛行機で7時間程度で行けるとあって、とくに女性に大人気でした。

増田:最近では、日本人の移住や出稼ぎ先として、脚光を浴びています。

池上:そうなんですよ。ITや金融の分野をはじめ、日本だけでなく、世界中から人が集まっています。技能があれば、比較的簡単にビザがおり、給料も日本よりいい。能力に応じて給料が支払われるので、大学を卒業したばかりでも、年収が数千万円になることもあるそうです。

投資家・村上世彰(よしあき)さんもシンガポールに移住しましたし、オリエンタルラジオの中田敦彦さんも移住しましたよね。所得税がとても安いそうで、シンガポールに移住した日本人が多く住んでいるマンションもあるそうです。ちなみに日本に住んでいないので、日本で納税する必要はありません。

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