堀井美香氏、退職の相談には「いたほうがいいよ」 50歳と45歳で会社を辞めた2人が語る"独立後"

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羽生:私も、行政や大学などこれまで接点のなかった業界との仕事が増えて、世界が一気に広がりましたね。退社していなかったら、人生の“南半球”を知らないままだった(笑)。

堀井:“南半球”はたしかに存在していますよね(笑)。

羽生:でも会社員だった頃は、退社してフリーになった人が「すごく楽しいよ。時間も自由になるし、本当に辞めて正解だったよ!」って、みんな判で押したように言うもんだから、性格の悪い私はひねくれた見方をしていたんですよ。「そりゃ、辞めた後で『後悔してます』とは言えないよね」って。

でも、いざ自分が辞めてみたら……楽しいの(笑)! 「あぁ、あの人は心からそう言ってたんだ」って。

だからといって会社員みんなに「こっちにおいでよ」とは言わないです。多様性の面でもいろんな価値観があるほうが健全なので。もちろん1つの会社の中で頑張ることも大事だし、フリーランスの働き方に合う、合わないもあるだろうなと。

退職相談には「会社にいたほうがいいよ」って言う

──逆に、かつての同僚や後輩から「会社、辞めたいんだけど……」と相談を受けることはありますか?

堀井:ありますね。会社員だった頃も後輩アナウンサーの相談によく乗っていました。でも、私は「絶対、会社にいたほうがいいよ」って。

『一旦、退社。~50歳からの独立日記』(大和書房)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

羽生:え、そうなんですか!?

堀井:で、その後輩は「そうですよね~。会社にいたほうがいいですよね」と言って、1カ月後に辞める(笑)。

羽生:相談を受けたこっちはポカンとしちゃいますね(笑)。「はぁ?」って。

堀井:でも、本当に辞めたい人ってもうハラは決まっているんですよ。「この仕事をしたい」「こういう働き方をしたい」という心の拠り所やポリシーを持っているんです。ただ話を聞いてほしいだけなんですよね。

私たちもそうですけれど、ハラをくくっているからこの先何があろうと我慢できるし、最後はどうにでもなる、と思えるんでしょうね。

(構成:堀尾 大悟)

堀井 美香 アナウンサー

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ほりい みか / Mika Horii

1972年、秋田県生まれ。1995年、TBSにアナウンサーとして入社。永六輔、みのもんた、久米宏、竹中直人(いずれも敬称略)など、個性的な先達のアシスタントを長年にわたって務めた。2022年3月に退社し、現在はフリーランスアナウンサーとして活動。

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羽生 祥子 ジャーナリスト、女性活躍推進家、メディアプロデューサー

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はぶ さちこ / Sachiko Habu

京都大学卒業後渡仏。帰国後に無職、フリーランス、ベンチャー、契約社員など多様な働き方を経験。編集工学研究所で松岡正剛氏に師事、「千夜千冊」に携わる。2005年現日経BP入社。「日経マネー」副編集長を経て「日経DUAL」「日経ARIA」「日経xwoman」を創刊し総編集長に。2022年独立。大阪・関西万博2025 Women’sPavilionWAプロデューサー就任。

20年以上におよぶ記者・編集者キャリアのなかで、3万人以上の働く女性と3000社以上の企業を取材してきた経験を基に、働く女性の声を発信している。著書は『多様性って何ですか? D&I、ジェンダー平等入門(日経BP)』。羽生祥子公式Twitter

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