堀井美香氏、退職の相談には「いたほうがいいよ」 50歳と45歳で会社を辞めた2人が語る"独立後"

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羽生:突然、ポンって放り出される不安ってありますよね。

堀井:そうなんです。その不安から、あらゆる知人に連絡しまくりました。「バーンブリッジ」の逆で、橋を架けまくった(笑)。

──そういう、退社する「怖さ」は、日が経ったら慣れるものなんですか?

堀井:いざフリーになってみると、「あれ? そうでもなかった」って。意外とどうにでもなるな、みたいな(笑)。

羽生:本当に「あれ? どうにでもなるじゃん」ですよね! すごくわかります。

想定していないオファーが来るようになった

──実際に会社の外に出てみて、仕事の面や世の中の見え方などで変化や発見はありましたか?

羽生:すごくあります。社内にいたときより自分の個性やスキルが意外と評価されることがわかったり、想定していないオファーをいただいたり。

堀井:私もあります。本職のアナウンスや朗読だけでなく、「え、この仕事をこの私に?」という、思いもよらなかったオファーが。

羽生:会社の中にいると、定期的に昇給・昇格するメンバーシップ型雇用のもとで、いち社員である自分の個性やスキル、人脈などのスペックが溶け込んじゃって、見えにくくなっていたんですよね。毎月の給料に「このスキルがいくら」と内訳が書いてあるわけでもなく。

それが、会社の外に出てみたら「あなたのこのスキルがほしいんです」と溶け込んでいたスペックが表に出てきて、そこに“値札”がつく。「あ、このスキルが意外と評価されるんだ」といった発見はありますね。

堀井:あとは、会社の外に出て、これまで接点のなかった業界や企業からもお仕事をいただく機会が増えました。中には小さい企業の経営者やフリーランスの方もいるのですが、皆さん働き方や考え方が自由で。これまで周りにいた、いい大学を出て大企業に入って勤続何十年、じゃないパターンの人たちが……。

羽生:こんなに多種多様な働き方の人が世の中にいたんだ、って思いますよね。

堀井:会社の中にい続けたら、こういう生き方や価値観を持つ人たちに出会うことはなかっただろうなと。その違う「景色」を見られるのも、退社してよかったことの1つですね。

次ページハラをくくっていれば、最後はどうにでもなる
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