定年後「再就職」に大苦戦する50代に欠けた視点 できることなら40代から準備しておきたい
近年、就職や転職をサポートする仕組みの発展ぶりには目を見張るものがある。その昔、新卒の若者や30代までの転職希望者は、新聞の求人広告を穴が開くほど見て情報を手に入れていたものだが、現在は求人情報サイトで調べて、インターネット経由で応募するのが一般的だ。
就職や転職をサポートする仕組みはほかにもある。管理職以上なら人材紹介会社に登録したり、ヘッドハンターから直接連絡が来たり、あるいは今より魅力的なポストを用意されて人づてに転職を誘われたりと、昔ながらの方法で転職するケースがまだ数多くみられるようだ。
企業にとってシニア活用は「想定外」
問題は「シニアの再就職」だ。就職や転職をサポートする仕組みが、その世代にはまったくといっていいほど整っていないのである。
試しにシニアの転職サイトや求人情報を検索してみてほしい。管理職の求人なども掲載する大手の「マイナビミドルシニア」は、対象が40代、50代、60代に限られている。
60代以上を対象としている転職サイトはいくつかあるものの、梱包作業やクリーニング、配送、テレフォン・オペレーターなど、人手不足が顕著な仕事ばかり。言うまでもなく、役員や管理職など企業の中核を担うポストはほぼゼロである。
つまり現状、シニアに役立つ求人サービスはほとんど存在しないということだ。シニア向けの求人も見当たらない。企業が求めるのは、新卒の若者や30代、40代といった前半戦の人材だけで、人生の後半戦に入ったシニアの活用はそもそも想定していないことがわかる。
最近は企業が「即戦力」を求める傾向が強まったため、ボーダーラインを35歳から40代に引き上げた企業が増えている。
転職支援サービス「doda(デューダ)」が実施した「転職成功者の年齢調査(2018年上半期)」を見ると、それを反映するかのように、転職成功者の年齢の割合は、以前ならボーダーラインを過ぎていた35〜39歳が全体の13%、40歳以上でも14%ある。この2つを合わせると27%、つまり転職成功者の4人に1人が35歳以上ということになる。
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