定年後「再就職」に大苦戦する50代に欠けた視点

できることなら40代から準備しておきたい

ただしこの調査にはそもそも「50代以上」というくくりはない。50代以上は「40歳以上」の14%に含まれるのだ。国が「年齢不問」を企業に求めても、それはあくまで求人票の内容だけであり、実際にはシニアの積極採用に乗り出す企業はほとんどない。厳しいが、これが現実だ。転職者の年齢が上がってきたとはいえ、まだシニア世代には到達していない。

人材紹介会社や求人サイトの市場で、そのような状況が簡単に変わるとは考えにくい。シニア世代ははじめから当てにしないほうが賢明だ。たとえ一部にシニアの採用を検討する会社があるとしても、シニアの求職者は年々増加しているのだから競争率は何百倍にもなってしまう。

「定年後の再就職」を円滑にする方法

ポイント1:自分から動いて仕事を探す

だから定年前後の就職活動は、既存の仕組みを利用するのではなく、自分の足で探すことが何より重要になってくる。友人、知人、ご近所などの知り合い、よく行くスーパー、居酒屋……とにかく思いつく限りのところへ出かけて、「働きたいのですが、何か仕事はありませんか?」と尋ねてみるのは有力な手段といえる。

人づての情報で、転職サイトや人材紹介会社では見られない求人案件に出合えることがある。

今の日本は、全国的に人手不足の職場が多い。経営者は優れた人材がいれば、すぐにでも雇いたいと考えているが、お金をかけて求人するには躊躇している。市井に埋もれた求人情報は、自分の足で動いて見つけ出すしかない。たくさんの人に尋ね回るうちに、その手がかりは見えてくるものである。「まず自分で動く」ことが、再就職の第一歩となるのだ。

ポイント2:50代前半から定年後の準備をする

定年が迫った50代に入ってから、慌てて定年後の仕事を探し始める人は多い。しかし、早いに越したことはない。できることならば40代、遅くとも50歳くらいの、まだ前半戦からの折り返し点にいる頃に、定年後の準備を始めたほうがいいだろう。

準備とは、定年後にどう生きていくか、綿密な計画を立てることである。「60歳になったら……」「70歳になったら……」とイメージを働かせて、将来、どんなことをしたいかを考えておく。こうした準備を40代のうちに始めてほしい。

生活についてでもいいし、仕事についてでもいい。楽しんで生きていくためには、趣味も重要だ。定年後に起こるあらゆることを、可能な範囲でシミュレーションしておくと、後半戦に入ってから慌てなくてすむ。

例えば生活のことを考えてみたい。定年後の主な収入を年金に頼ろうと思っていると、定年を迎えてほどなく困難に直面する場合がある。というのは、年金の支給開始年齢が65歳まで引き上げられたからだ。

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