表情分析家が解説、「WBC」伊戦前の栗山監督の想い 冷静な受け答えで不振の村上選手をおもんぱかる
3月8日に開幕を迎えたワールド・ベースボール・クラシック2023(WBC 2023)。日本代表・侍ジャパンは、順調にコマを進め、16日にイタリアとの準々決勝を迎えます。本稿は、14日、イタリアとの対戦を前に会見に出席した栗山英樹監督の想いを、監督の表情から推察したいと思います(※分析に用いた動画はこちらです)。
下の画像の左下部分に表示されている心電図のようなグラフにご注目ください。グラフの高さが、感情が存在する可能性を意味します。約12分の会見にわたり、ほとんどグラフは表れていません。このことから、全体として感情の起伏はなく、落ち着いた監督の様子が伺えます。
この画像の場面は、「残り3試合、何が大切になってくるか」と問われているところですが、監督は、「今までとは別物」「全く違う戦い」とは答えつつも、「全力でやっていきます」と落ち着いた様子で締めています。優勝に向かっていく対戦であっても、これまでの練習の蓄積や技術、経験が基盤となり、瞬時に変わり得る対戦中の局面に臨機応変に対応できる自信があるゆえではないかと推察されます。
監督の監督たるゆえんを感じさせるのが、不調が続く村上選手の「打順変更の可能性」を問われた場面です。
「まだ明日の練習もあるので、状態確認は今日もしてますけど、ひとりの選手がどうのこうのということではないので。全体のバランスとして一番勝ちやすい形を探るというだけなので」と、冷静に答えています。ファンとしては村上選手の活躍が気になるものの、一選手に過度の期待や負担を強いることなく、広い視野から戦略を考える監督像が推察されます。