「考え方が昭和すぎ」嫌われる年配社員の"活用法" 儒家・荀子「性悪説」で読み解くリーダーの資質

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主人公のアナキン・スカイウォーカーは正義に燃える青年ですが、それに対して暗黒卿は彼をシス側に引き込もうと説得します。

「シスとジェダイはあらゆる面においてほとんど同じだ」

「善とはものの見方に過ぎない」

このように言を弄して、アナキンは本来正義だと思っていたジェダイこそが悪ではないかと信じ込まされていきます。アナキンのこうした心の弱さを見抜いて、師ヨーダが指摘するシーンもあります。

「恐れはダークサイドに通じる道だ。恐れは怒りを呼ぶ。怒りは憎しみを呼ぶ。憎しみは苦しみを呼ぶ。そなたの中には恐れがある」

これはまさに善悪の境界線にあるものを表していると言えないでしょうか。

私はよく、怒りの裏には悲しみがあるという表現を用います。激しい怒りを抱えている人の中には大抵「悲しみ」があります。その感情は、もしかしたら失望や孤独から生まれるのではないでしょうか。

馬場さんも基本的には仕事に熱心な社員です。たまたま何かのきっかけで怒りを表出する社員になっているのかもしれません。

だとすれば、それはどんな感情なのでしょう?

悲しさ、寂しさ、孤独……。

この数十年の間に彼に何があったのでしょうか。そう思いをはせることが、本当の意味で馬場さんを理解することであり、馬場さんに対して何かを働きかけるときに役立つのです。

ポジティブに聞こえるフィードバックをする

そのうえで、リーダーに求められるのは適切なフィードバックでしょう。もちろん、本音でこちらの思いを伝えることは大前提ですが、正論や教科書的なアドバイスは相手の心には届きません。

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ひとつのテクニックとしては、相手の良い状態をイメージしながら伝えることです。

過去に見たその人の良い行動のシーンを想像します。そうすれば、相手に伝えたいことが「要望」から「期待」に転換されていきます。

つまり、「ここが良くないから直してほしい」と注文を付けるようなメッセージを、「こうなれば、あなたはもっと素晴らしいのに」という温かみのあるメッセージに発展させるのです。

最終的に、「こういう良い行動を増やして一緒に良いチームをつくっていきたい」という未来への希望を込めた言い方ができると、相手にポジティブに受け止められるフィードバックになるでしょう。

中村 勝裕 株式会社アジアン・アイデンティティー 代表取締役

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なかむら かつひろ / Katsuhiro Nakamura

愛知県常滑市生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、ネスレ日本株式会社、株式会社リンクアンドモチベーション、株式会社グロービス、GLOBIS ASIA PACIFICを経て、タイでAsian Identity Co., Ltd.を設立。現在は「アジア専門の人事コンサルティングファーム」としてタイ人メンバーと共に人材開発・組織開発プロジェクトに従事している。また、タイにおいてビジネス教材『スースー!ピム! ~マンガで学ぶビジネスの6つの基本』を出版。YouTubeでは「名言ゆるラジオ」を運営している。

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