「嫌われる上司」と「信頼される上司」の決定的な差 部下のやる気がぐんとアップする「声かけ」とは

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コミュニケーションの基本は、打ち返す「ラリー」ではなく、受けとめ合う「キャッチボール」です(写真:YAMATO/PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ®」の大野萌子です。

長年、数多くの新人研修を担当してきましたが、ここ5年くらいで新入社員の傾向が変わったと感じています。大きな変化は、「自分の本音を言わない人が増えたこと」。上司との意思疎通がうまくできずに、メンタルの不調を訴える人も目立ちます。

コミュニケーションの基本は、打ち返す「ラリー」ではなく、受けとめ合う「キャッチボール」。相手の意見をいったん受けとめる姿勢が大事です。また、基本キャッチボールは平らなとこで行うもの。しかし、上下関係があれば、2階や3階と1階でやりとりを行うようなものです。その力関係を意識して、とりやすいボールを投げる配慮が必要です。

拙著『よけいなひと言を好かれるセリフに変える 働く人のための言いかえ図鑑』の中から、部下と接するときに意識したい「言いかえ」を、いくつかご紹介します。

「威圧的態度」で追い詰めても、人は育たない

パワハラで訴えられやすい上司は、部下に「威圧的な態度」をとる傾向があります。そういうタイプの人がよく口にする言葉は、「読めばわかるよね?」「何度言ったらわかるの?」「いい加減にして」「つべこべ言わずにやって」「だから言ったのに」などなど。どれも別の言葉に言いかえれば、圧力をかけずに伝えられます。

×よけいなひと言 「読めばわかるよね? 何度言ったらわかるの?」

◎好かれるひと言 「この資料の○ページを、必ず確認してください」

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たとえば、説明書や資料、連絡内容をよく読まない部下には、「この資料の○ページを必ず確認してください」と行動をうながす言葉に言いかえること。「いい加減にして」と相手を責めるのではなく「これ以上、同じミスが続くと困ります」と、率直な状況を伝えても問題はありません。感情をあらわにするのではなく、事実を明確にし、改善方法を共有することが大切なのです。

「つべこべ言わずにやって」「だから言ったのに」は、相手を責めて圧力をかけているのでハラスメントになりかねません。前者は「まずはやってみて、わからないことは聞いてください」。後者は「進捗状況を確認させてください」と言いかえましょう。

「人を育てる」のが上司の仕事。仕事がうまく進められない部下に対して、感情をぶつければぶつけるほど、険悪なムードになって事態は悪化するだけです。

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