例えば、奨学金を借りている学生たちは、こうした社会人たちとの面談を義務化するとか。奨学金を借りている学生たちは、彼らから『キャリアアップと奨学金返済を両立するポイント』を学ぶことができるし、社会人にしてみれば、優秀な学生を採用することができるリクルーティング活動の場所を提供することにもつながります。
即物的な提案かもしれませんが、大人たちが何も解決策を出せないまま、返済にあえぐ学生をひたすら増やすよりは、こうした取り組みを行ったほうが、貸し倒れのリスクも減るでしょう」
学生に今一度考えてもらいたい、奨学金の「意義」
そして、奨学金を借りる学生に語る言葉も、熱を帯びている。
「『奨学金を借りたら大変なことになった』という声をよく聞きますが、それは奨学金のせいではなく、その人自身がどのようにキャリアを形成していくべきかという、『出口戦略』が甘かったのではないかと思います。
そもそも奨学金というのは『頑張って出世して返すもの』なので、借りている以上は相応の努力をするべき。『お金がないから借りよう』ではなく、『将来ビッグになるために借りよう』というのが正しい考え方だと思うんです。
国も、債務者をたくさん生み出すために緩い審査で若者にお金を貸しているわけではないでしょうしね。奨学金を貸す側も将来を担う若者をたくさん輩出したいから、気前よくバンバンお金を出しているわけなので、借りている側もやっぱり奨学金の『意義』というのは今一度考えてもらいたいです」
奨学金の捉え方はさまざまだ。「福祉」か「投資」か、はたまた「借金」か「融資」かで語る言葉の温度は大きく変わる。この連載では多くの返済当事者の声をありのままに紹介しているが、高瀬さんはなかなかストイックな部類と言えるだろう。
しかし、さまざまな逆境を努力ではねのけてきた高瀬さんの言葉に、そうとうな強度を感じさせられたのも事実だった。
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