誘いを断っても「感じがいい人」が言うほんの一言 「うーん、お察しします」気まずい空気はこう避ける

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せっかくの厚意を無下にしたくない。でもお断りしたい。相手を傷つけずにNOを伝えたい。そんなときは「お気持ちだけいただきます」と感謝を伝えましょう。

Aさん:行列ができていた和菓子屋で大福を買ってきたんだけど、1ついかが?
Bさん:ありがとうございます。でも、粒あんが苦手なんです。
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Bさん:ありがとうございます。でも、粒あんが苦手なんです。お気持ちだけいただきます。

Bさんの食の好みを知らなくて当然の立場だったとしても、Aさんは一瞬、淋しいような申し訳ないような気持ちになるかもしれません。でも、気持ちを受け取ってもらえたことを伝えられたら、声をかけたことは悪くなかった、と思えるはずです。

以前出かけたレストランでのことです。すばらしい料理やおもてなしに大満足して、チップを包んで帰りがけに手渡そうとしたときです。スタッフの方が「(そう言ってくださる)お気持ちだけいただきます。ありがとうございます」と、ていねいに頭をさげられました。私もさらに感謝して、気持ちよくお店をあとにしたのでした。

一方、以前、別のお店で、「うちの店は、こういったもの(チップ)は規則で受け取れないんです。すみません」と言われたことがあります。伝えたかった感謝を拒絶されたような気がして、少し淋しくなりました。同じシチュエーションなのに、雲泥の差ですよね。

相手がしてくれた何かを断るときは、まず相手のその気持ちに感謝しましょう。すると、自然にこのことばが出てくるはず。心づかいをありがたくいただくのです。

友人同士なら「ありがとう! 気持ちだけもらっておくね」と、カジュアルに使い分けるのもすてきですね。

目上の人にも使える「残念!」

仲のよい相手からのお誘いを断るなら、「本当に残念だよ!」という気持ちがストレートに伝わる「残念!」をちょい足ししましょう。先ほど紹介した「あいにく」がフォーマルとすれば、「残念!」は、そのカジュアル版です。

Aさん:ランチのあと、ちょっとコーヒー飲みに行かない?
Bさん:今日はこのあと約束があるの。
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Bさん:残念! 今日はこのあと約束があるの。

大切なことは、このように、まず「残念!」と本音を伝えてから、「その日は予定をいれてしまったんだよ……」など、きちんと理由を説明すること。その点、「せっかくだけど」をつなぎに使うともっと強力。「残念!せっかくだけど、その日は予定をいれてしまったんだよ……」と言われれば、「誘ってくれたことへの感謝」や「行けなくて残念」という気持ちを、さりげなく強調できます。

目上の人には使いづらいですが、「えっ、残念です……」という言い方をしてみたり、思わず出た独り言のように「残念……」と小さくつぶやいてみると、関係性ができていれば、立場が上の人にも使えます。

依頼や誘いを断るとき、どうしても罪悪感や「失礼じゃないかな」「断ったら嫌われてしまわないかな」といったネガティブな気持ちを抱きます。でも、あなたの本当の思いが相手にきちんと伝われば、もっと親しくなることだってあるのです。その「本音」をうまく伝えるひとことです。

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