「貧困家庭で浪人」借金して東大目指した彼の暗闇 家庭状況が厳しい中でも浪人したのはなぜか

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布施川さんは東京都足立区で生まれ育ったゲームが好きな子どもでした。

「家にある古いパソコンでずっとゲームをやっていました。朝9時に親が出かけたあと、夜9時までノンストップでゲームしている日もありましたね」

外交的で活発な面もあり、幼少期は友達の家にもよく遊びに行って楽しく過ごしたそうです。しかし、交友関係を広げる中で、小学校から中学生くらいになると、友人と自分の家を比較して家計に余裕がないことを察する機会が増えたと言います。

「周囲の子に比べて旅行経験が少ないなと思いました。僕は大学に入るまでロクな家族旅行をしたことがなかったのですが、当時の友人はみんな年に一度はどこかに旅行に行っているようだったので、『うちって貧乏なのかな?』って思うようになったのです」

そのため、中学受験では、お金のかからない都立校を受けようと思いましたが、残念ながら落ちてしまい、私立の中高一貫校の共栄学園に進みます。

授業料全額免除で私立校に通う

「お金を払えないから授業料を免除してもらえる特待生の扱いを6年続けるという条件で入ったんです」

共栄学園は、評定が10段階。その年の評定が8.5以上で授業料が全額無償の特待生扱いが続けられるという制度がありました。

中学から高校まで、毎年契約が更新される片道切符。それを布施川さんは6年間更新し続け、毎年全額免除を勝ち取っていたのです。

「だから、学費に関しては1円も払ってないんです」と語る布施川さん。このように学校ではつねに成績上位でありながら、勉強をしている時間以外もゲームと吹奏楽部の活動に打ち込む充実した生活を送ったそうです。

そんな布施川さんが東大を意識し出したのは高校1年生のころでした。

「もともと音大に行きたかったのですが、お金がかかるから断念せざるをえなかったのです……。そんなモヤモヤしていた時期に三者面談で先生から東大を勧められたので、なんとなく意識し始めました。それから自分でも大学を調べたのですが、家から交通費がかからない国立大学が東京大学しかなかったので、本格的に目指すようになったのです」

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